癌末期の壊死組織からの悪臭・臭い匂いの対策

乳癌や皮膚のがん、咽頭癌、舌ガン、皮膚へ転移したガンなどは終末期になると腫瘍が崩壊し、悪臭を発してしまいます。

ひとたび皮膚から飛び出し、腫瘍があらわになると腫瘍の壊死組織(癌細胞が死んだ部分)に嫌気性菌が感染し、ものすごい臭い匂いがします。匂いの原因は嫌気性菌が作った脂肪酸であり、独特な腐敗臭です。

腫瘍から出てくる液も感染しやすく、不快な匂いの原因になります。

これらの悪臭を発するガンの多くは、大きくなっても、体の外側に大きくなるので、臓器を圧迫したり、浸潤しません。大きくなっても命に関わりにくいわけです。

体表の腫瘍は大きく崩壊すると出血や浸出液が増えますが、命に関わる重大なイベントを引き起こすリスクは高くありません。

表在の腫瘍は神経がありませんし、正常の神経を圧迫しないので、強い痛みが生じにくいという特徴があります。

しかし、ガンが崩壊した時に生じる、不快な臭いに悩まされる患者や家族は大勢います。

 

悪臭は終末期の精神的な苦痛やスピリチアルな苦痛となる

思いがけなく、臭い匂いを発し、誰かの迷惑になってしまうと、患者自身の自尊心を傷つけてしまいます。

臭い匂いは、近くにいる人に迷惑をかけているという負い目を感じ、羞恥心が傷つきます。

匂いが迷惑になることが申し訳なく感じ、人前に出ることを避けるようになり、自身を失ってしまいます。

自分が臭い匂いを発しているのに、お見舞いにきた人たちが何食わぬ顔で会話してきてくれたら、迷惑をかけて申し訳ない、恥ずかしいと感じるに違いありません。

「なんか臭い」と言われても自尊心が傷つくことになるのですが…

 

悪臭は非常にナイーブな問題

悪臭は、家族や医療従事者に強い不快感を与えます。

「本人のところに行きたくないなぁ」という感情が芽生えてしまいます。正直申しまして、臭い匂いを発する患者のインタビューは不快な感じは否めません。

患者本人も、家族や医療従事者の微妙な感情の変化を察知し、疎外感を感じてしまうでしょう。

 

匂いはとても辛い症状の1つです。

しかし、しっかり悪臭対策臭をすれば、患者自身を安心させ、精神的な苦痛が増えません。

匂いの対策がしっかりできていれば、周囲に気にすることがなくなり穏やかに過ごせるようになるでしょう。

 

本人は匂いに気づいていないことが多い

周囲からすれば不快な匂いでも本人は気づいていないかもしれません。我々は強い匂いであっても慣れてしまうという習性があります。

たとえば、スゴイ強い香水の匂いをプンプンさせている方っていますよね。自分ではちょうどいい匂いの程度に香水をつけているんでしょうけど、周りからするとちょっと迷惑極ですよね。

強い臭い匂いも慣れてしまうので、本人は強い悪臭でも辛いとは感じない場合があります。

本人が気にしていないのに、匂いの対策をすると羞恥心やプライドを傷つけるので配慮が必要です。

周囲を不快にさせたいと思っている人はいません。匂いが周囲の人を不快にし、対策をきちんととれば、匂いはかなり減らせます。

におっていないフリは、本人も、周囲の人も辛いだけですので、本人と周囲の人が話し合い、積極的な匂い対策が必要です

 

悪臭の対策にはどのような方法があるのでしょうか?

悪臭を放っているのに、本人の前で臭くないフリをすると、本人を裸の王様にしてしまいます。これは1番良くありません。

悪臭対策では匂いが気になっていないとウソをつくのではなく、匂いがあるので協力して匂い対策をしていきましょうと足並みを揃えて対策しなくてはなりません。

「臭いから洗って」など直球で説明すると、本人のプライドを傷つけてしまうので、建設的な提案をするべきです。本人は不幸にも、意図せずに臭いを発してしまっているという現状への心配りは必要です。

完全に悪臭が消えませんが、匂い対策をすれば、周囲の人の不快感は軽減します。介護もしやすくなり、本人にとってもメリットがあります。

最も重要なことは、大切な人が、ガンで苦しみ、不幸にも悪臭を放つようになってしまったことに共感し、大切な家族なので大きな問題ではなく、対策できる問題であると伝えましょう。

 

ガン末期の悪臭へのの対策

  • 患部を清潔に保つ
  • 浸出液を拭き取ったティッシュやカーゼを近くに捨てない
  • メトロニダゾール軟膏やモーズ軟膏
  • 換気
  • 複数の消臭剤
  • オゾンによる消臭(オゾン発生装置)

 

患部を清潔にする

患部を綺麗に保つことで匂いはかなり軽減します。出来ることなら、毎日石けんとたくさんの水を使って奇麗にしましょう。

癌細胞が死んだ部分を壊死組織と言いますが。壊死組織は免疫が働きませんので細菌が増えやすく、匂いの原因です。

壊死組織を出来るだけ取り除くことが悪臭対策の第一歩です。しかし、壊死組織の洗浄は痛みが伴うので、優しく、ゆっくり時間をかけて洗うようにしてあげてください。

癌細胞から漏れだす液(浸出液)も感染の原因になります。出来るだけ頻回のガーゼ交換を行うと臭い対策になります。拭いたガーゼやティッシュは臭いの原因になるので、出来るだけ外のゴミ箱に捨てましょう。密閉できるゴミ箱に消臭剤を入れておくと臭いが軽減します。ティッシュを捨てやすいからと、患者の近くのゴミ袋にいれておくと、においが強くなります。


↑蓋が出来るのゴミ箱は臭い対策に適しています。

 

↑臭いが減る袋もあります。

 

メトロニダゾール軟膏やモーズ軟膏

嫌気性菌を増やさないために、メトロニダゾールの軟膏を塗ると臭いが減ります。ロゼックスゲルという商品名です。ロゼックスを塗ると、臭いが軽減します。

癌細胞から漏れだす液が服やシーツに着くとメトロニダゾールの効果は得られません。

モーズ軟膏という癌組織を変性させる軟膏があります。モーズ軟膏に着いてはコチラの記事を参考にしてください。悪臭対策にモーズ軟膏

 

換気や消臭剤

こまめな換気を行い、匂いを貯めないこと、消臭剤を使い匂いを減らすことは匂い対策に有効です。

しかし、本人と相談せずに、匂いがキツくなったらからといって換気を行うと、本人の自尊心を傷つけかねません。匂い対策では本人と相談しながらおこない、自尊心や恥ずかしいという気持ちに配慮してあげてください。

 

一般家庭で使う消臭剤は匂いを軽減します。匂いの分子と消臭剤の分子が化学反応中和、分解)して臭いを消します。

1つではなく複数使うことで効果が倍増します。たくさん使うことで、本人が安心して生活できる範囲を増やすことが出来ます。これも、本人と相談してから行わないと自尊心を傷つけてしまいます。

香り付きのタイプは、複数使うと香りが強くなり過ぎるので無香料のタイプの消臭剤であれば、たくさん使っても問題ないです。

消臭剤は大きいものを1つ置くよりも、中ぐらいのサイズの消臭剤を複数設置するほうがが効果的です。

↑これらぐらいのサイズの消臭剤であれば、部屋に複数おいても邪魔になりません。

 

シュシュとする噴霧タイプの消臭剤やトイレの消臭スプレーは一時的な消臭効果は抜群です。慢性的な悪臭対策には、あまり建設的ではありません。匂いが強いときに一時的に使用したり、ゴミ箱を開けるときシュッとするなどの方法で使います。

トイレなどに使う消臭スプレーは本人の自尊心を傷つけるので避けるべきだという意見があります。使用するのであれば、幾分の配慮は必要でしょう。

 

↑スマートな外観の消臭スプレーもあります。

 

オゾン消臭機

オゾン消臭機は消臭剤とは違う作用(酸化作用)で効果があります。最近は小型で効果が高いオゾン消臭機が販売されています。

オゾン消臭機は、ペットを飼っていても、来客者がペットを飼っていることに全く気づかないほど効果があります。

ちなみに一般家庭で使う、フィルタータイプの空気清浄機では匂いはほとんど減りません。

 

オゾンは酸素原子が3つくっついた分子です。オゾン発生装置で作られても、スグに分解して安定した分子の酸素になりたがります。

匂いの原因は、嫌気性菌が分解した脂肪酸です。オゾン分子がこの脂肪酸に接触すると脂肪が酸化し、一瞬にして腐敗臭のしない分子になります。

大量の匂い分子にオゾン発生装置から絶え間なく発生するオゾンが接触し、匂いを除去してしまうのです。

匂いの元のを減らす対策が第一ですが、匂い分子を酸化、分解してしまえば匂いが軽減します。

 

オゾンの安全性は保障されています

ウィルスや細菌までもがオゾンで殺菌できます。

残存性がなく、高い安全性から、今では飲み水やコンビニのサンドイッチなどの食べ物の殺菌にオゾンが使われています。

 

オゾン消臭機を使うなら、適切なサイズを選ぶことが肝要

オゾン濃度が0.1ppm程度で十分な消臭効果が得られます。濃度が薄過ぎると、効果は不十分になります。濃いオゾンの中で長時間生活すると有害のようです。

よく売られている、トイレ用や車用のオゾン消臭機では、ガンの悪臭には歯が立ちません。

小さい室内用のオゾンの発生量が少な過ぎます。

逆に、いくらオゾンが濃い方がいいからと言って、業務用のオゾン発生装置を使う必要はありません。

オゾン濃度が高いほど、消臭効果は高くなります。しかし、オゾン濃度が高過ぎると、気分が悪くなったり、喉が痛くなったり、頭が痛くなります。

オゾンの発生量が適切な室内用のオゾン発生装置を使うべきですよね。

ちょっとオゾンの匂いがするな程度のオゾン濃度が適切な濃度です。

さまざまなオゾン発生装置がありますが、10畳以上の室内用が好ましいと思います。

 

今まで使用しているのを見たことがあるオゾン発生装置を紹介します。

テルモ 消臭専用機 エアーサクセスプロ 

緩和ケア病棟の個室にうかがったときに見たことがあります。緩和ケア病棟やホスピスではメジャーな装置のようです。看護婦さんいわく、緩和医療学会の起業ブースで紹介されていたと。

かなり腫瘍が崩壊していました方でしたが、匂いがほとんどなくて驚いた記憶があります。

喉頭がんの患者のお見舞いというと、悪臭になれるまで大変でしたが、エアーサクセスプロ を使っていたためか、看護婦さんたちの壊死組織の管理が良いこともあり、ほぼ無臭でした。

エアーサクセスプロ を使っていたのは病院の普通の個室だったので、それほど広い部屋ではありません。個室の広さは6〜8畳ぐらいだったと思います。

エアーサクセスプロ はほとんど音がしません。ファンもありません。オゾン臭い感じもしません。

オゾンを使って、絶え間なく臭い匂い分子を酸化すれば、匂いの軽減が期待できます。

医療業界ではメジャーであるテルモの商品ですので安心ですね。

エアーサクセスプロは2万円ぐらいが相場です。参考にしてください。高過ぎる場合がありますのでご注意ください。

 

オゾン発生器 CUOFUTURE クオフューチャー 

オゾン発生器 CUOFUTURE クオフューチャー は日本製であり、30帖まで対応できるオゾン発生装置です。オゾン発生量を調節できるので、ガンの悪臭対策以外にも使い道があります。

エアーサクセスプロよりも少し安いです。

これを使っている人もいました。バッテリー駆動するらしく、何処にでも持っていけるのが便利そうでした。

 

この2つの製品の他に小さいオゾン発生装置を使っている人を見たことがありますが、効果は今ひとつでした。わたしが見たオゾン発生装置の中ではこの2つが秀逸ですね。

オゾン発生装置や消臭剤は傷を清潔にして匂いを減らしてからでないと効果は少ないです。

生活臭用の消臭器

生活臭用の消臭器では力不足だと思います。

 

悪臭対策は清潔、消臭剤、オゾン発生装置の3段構え

スピリチアルな苦痛や本人のプライドや羞恥心に考慮した対応が重要です。