筋肉が減り、息を吸いたいだけ吸えない!死への恐怖感はマックス。




正常な体でも吸いたいと期待している量を吸うことができなかったり、吐きたいと期待する量を吐くことができないと息苦しさを感じ、努力して呼吸をしようとします。

密着度の高いマスクをすると体に酸素は十分取り込まれていても、苦しく感じるでしょう?

肺が膨らみにくい状態になると息苦しさを感じるようになります。ご存知かもしれませんが、肺は肺自信で膨らむことはできません。

横隔膜や肋間筋等の呼吸筋が働くことで肺が大きくなったり、小さくなったりしてガス交換をしています。

悪液質が進行し、横隔膜や呼吸筋等の呼吸のための筋力が低下し、肺をふくらめたり、縮んだりする力が不十分になると、血中の酸素が減っていなくても息をすることが苦しく感じるようになります。

 

最終的に、血液中の酸素が少なくなり、二酸化炭素が増えて、息苦しさが強くなります。

細い気管支が痰や血液で詰まったり、ガンが進行して空気の通り道(気道)をふさいだ場合も、息が苦しく感じるようになります。

気道を詰まらせると詰まったところ以下の肺は空気が入ってきませんよね。

 

筋力がある時は、痰や血液であれば「ゴホゴホ」と咳をすることで排出することができます。しかし、悪液質が進行し、自分の力で痰を出せなくなると息苦しい感じが続いてしまうことになるでしょう。

知っておいてほしいのは、吸ったつもりに見合った分だけ肺が膨らまないと苦しいと感じるようになり、恐怖感を覚えるという点です。

特に息が詰まるような感じはわたしたちに強い恐怖感を覚えさせ、差し迫る死を実感するようになるでしょう。

 

喉に何か詰まったことがある人は感じたことがあると思いますが、息が出来ない恐怖は差し迫ったものを感じたと思います。

呼吸筋が減ることが原因であることをもう少し説明させてください。




筋肉減少による呼吸の苦しさ

ガンが進行し、痩せてくると呼吸するための筋肉も減少します。

肋骨が浮き出て見えるぐらいにやせているということは、呼吸のための筋肉まで、落ちてきているということです。

生きるために必要な筋肉がなくなってきている状態だと考えてください。

 

動いていない時はそれほど多く空気を吸う必要はありませんが、動いた時は運動に見合った空気を吸わなないと苦しくなりますよね。

悪液質が進行し、呼吸のための筋肉が減ってきているため体が必要としているだけの空気を吸うことができません。

 

息を吸いたいのに、力がないから吸えない

つまり悪液質のために、息の苦しさを感じるようになるわけです。

悪液質が進行すれば、歩いただけで息苦しくなります。

トイレに行くだけで肩で呼吸をするようになり、体を起き上がらせるだけ息が苦しくなるでしょう。

 

さらに筋力が弱くなればベッドで横になって、呼吸という運動をするだけで息が苦しくなります。

想像できないかもしれませんが、死の直前になると、息をするという行為自体が、息苦しさを生じさせるのです。

大きく息をしようとすると呼吸筋を大きく使った疲労感により、息苦しさが増悪してしまうのです。

 

気道に痰が詰まることも息が苦しくなる原因の1つです。

痰が溜まると空気の通り道が狭くなり、努力して息をする必要があります。

「努力して呼吸をしないといけない状態では苦しく感じる」ということは、病気でないわたしたちでも同じことですよね。

 

先にも述べたことですが、呼吸をする筋力が落ちているので、痰を吐き出す筋力も弱くなっています。

筋力低下がすすむとわずかな量の痰を出すにも何分も、何十分もかかるようになります。

健康な状態では、息苦しい感じが何時間も続くことはありませんが、がんの患者は何時間も息苦しい感じが続くのです。

 

ガンにここまで読んでいただきありがとうございます。

息苦しさに関する記事だけでなく、ガンの終末期に関わる症状については、下にある「もっと読んで心を軽くする」という関連記事欄がございますので参考にしてください。




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