腹水、胸水、浮腫はどこに水が溜まるのか?

腹水は腹のどこに溜まるの?

腹水は「腹腔」とよばれる場所に溜まります。腹腔とはお腹の中ですが、腸の外側であり、ちょっとイメージがわきにくいかもしれません。

腸や肝臓は腹膜というつるつるの膜で覆われていてお互いくっつかないように表面はすべすべしています。

 

またおなかの中の壁を裏側も裏打ちしており、おなかの壁と腸がくっつかないようになっています。横隔膜より下の腸が含まれているスペースを「腹腔」よんでいます。

「腹腔」という解剖学的な場所を言葉で説明するのは難しいので、分りやすい図があったので リンクさせていただきました↓

http://plaza.umin.ac.jp/~web-hist/hukumaku.html

 

体を動かしても腸がよじれないように、腸と腹筋のスベリをよくする仕組みが備わっています。腹の中には腸や肝臓の間に、普段は見えない膜と膜にはさまれたペチャンコのスキマがあるのです

 

魚をさばくとき、はらわたを取ったことがある方はイメージしやすいと思いますが、魚の腹を切るとスルスルとはらわたが出てきますよね。

魚のはらわたが入っているところが腹腔であり、スベスベしているのが腹膜なのです。腹膜と腹膜の間に水が溜まると腹水になります。

当然健康な時は、腹水は溜まりません。

 

腹水がたまるような病態は、強い炎症がお腹の中で生じているか栄養状態が悪くなり、血管内に水をとどめておくことが出来なくなった時です。

悪液質になり、血管から水分が抜け出しやすくなると、膜と膜の間に普段は見えない隙間に液体が溜まるのです。

 




胸水はどこにたまるの?

胸水が溜まるのは胸腔内というところです。肺も腸と同じようにスベリをよくする膜に覆われています。

この膜を胸膜といいます肋骨の裏側にも胸膜があり、肺が肋骨側にくっつかないように目に見えない隙間(スキマ)があります。

ここも普段は見えない隙間であるが、腹水同様に水が溜まりやすい場所なのです。健康な時は胸水が多量に溜まることはありません。

 

浮腫はどこに溜まるのでしょう?

不必要な水分が皮下に溜まる状態を浮腫といいます。ガンが進行し悪液質が進むと低栄養になり、血管内のアルブミンが減るため下半身がむくみやすくなります。

理由はあとで説明しますが、悪液質の進行や骨盤内のガンが血行を悪くすることが原因で下半身に水が溜まります。重力のため、一般的に心臓より下にある足やふくらはぎのほうが手よりもむくみやすくなります。

浮腫み(むくみ)は普段生活していても、立ち仕事を一日すると足がむくむことに同じであり、水分が脚に滞ることにより生じます。

健康な時なら、むくんだ足も一日寝れば元に戻ったはずです。

しかし、終末期に生じる浮腫は簡単には改善しません。腹水、胸水、浮腫は悪液質が進行してアルブミンが少なくなった結果です。

 

悪液質が原因の浮腫、胸水、腹水は治療が難しい

ここでは腹水や胸水が何処に溜まるのかを説明させていただきました。普段溜まらないようなところに水がたまってしまっているという状態を理解すると、治療の難しさを少し理解していただけたのではないでしょうか?

次のページでは、腹水、胸水、浮腫の原因を解説します。

次のページへ→腹水、胸水、浮腫の原因

 

腹水、胸水、浮腫に関する記事については、下にある「もっと読んで心を軽くする」という関連記事欄がございますので参考にしてください。

 

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もっと読んで心を軽くする

参考文献
荒金秀樹 2014 悪液質とサルコペニア リハビリテーション栄養アプローチ
特定の病態に対する治療 – 日本緩和医療学会
Sadeghi, Babak, et al. “Peritoneal carcinomatosis from non‐gynecologic malignancies.” Cancer 88.2 (2000): 358-363.

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