死ぬ時は心臓が先に止まるのか、呼吸が先に止まるのか




呼吸機能低下が先か、循環機能低下が先かという疑問をもたれる方も多いと思います。

呼吸だけでも生きてはいけないし、心臓だけ働いていても生きてゆくことは出来ません。

心臓が弱まれば、呼吸も弱まるし、呼吸が弱まれば心臓も弱まります。心臓と肺は一蓮托生です。

ガンによる筋力低下の程度を考えると、呼吸筋が少なくなり、呼吸機能低下が先に生じ、酸素が心臓にいかなくなり、心臓が止まるというストーリーが自然かなぁとわたしは考えています。

筋力低下がすすむにつれ、呼吸に携わる筋力も低下し、酸素の取り込み能力が弱まって行きます。酸素が十分取り込めないと、いろいろな臓器の機能が低下します。

心臓の働きが悪くなると血液を脳へ送ることが不十分になり、脳の働きも悪くなるのです。そして眠るように死を迎えます。

 

多くのガン患者の場合、呼吸機能の低下が先に起こるようです。呼吸機能とは息を吸ったり吐いたりすることです。

 

横隔膜や肋間筋などの呼吸のための筋肉が減るため、呼吸が不十分になってゆきます。

呼吸の筋肉が減れば、たくさん吸おうとしても吸えなくなりますし、1回の換気量が減ってしまっているはずです。

 

息を吸ったり吐いたりする機能が低下すれば酸素を血液に取り込む量が減ります。

 

人間には重要な臓器に優先的に血液を送る機能が備わっており、酸素の取り込みが悪くなると、手足の血流を低下させ、脳や心臓へ血液を送ろうとします。

しかし、呼吸の機能が低下し、十分な酸素を取り込むことが出来なくなると、まず手足の血流が悪くなり、手足が冷たく青紫色になるのです。

 

手足が青紫になることをチアノーゼとよびます。

子供がプールに入り唇が青くなるのを見たことがありませんか?あれがチアノーゼの色です。心臓や肺の機能が悪くなると生じるサインです。

 

子供の唇が青くなるのは病気ではありません。体温を外に逃がさないように血管が収縮しているだけです。

ガン終末期の患者のチアノーゼの場合、生命を維持することが難しい段階まで、肺の機能が 落ちてきているサインです。

 

チアノーゼは臨終が近いサインであり、一週間から数日以内に臨終が訪れる可能性があります。

呼吸機能が落ちても、心臓は出来るだけ血液を全身に送ろうと踏ん張りますが徐々に心臓が疲れ果ててしまいます。

 

心臓の機能や肺の機能が悪くなれば脳へ送る酸素の量が減り、脳が働かなくなり、意識が薄れてきます。

最期の数日になると寝て過ごすことが多くなり、呼びかけ ないと目を覚まさない意識状態となるでしょう。

 

最終的に心臓自身に送る血液の量が途絶えれば、心臓は働くことができなくなり、心臓の拍動が停止してしまうのです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。最期の迎え方最後の数日で現れる症状の記事が役に立つと思います。参考にしてください。