末期がん患者が、食欲低下したとき好む食べもの




末期になると、味覚が変わる

ある種の抗がん剤を行うと、味覚が変化しますが,ガンが進行し、痩せが目立つ頃になると食事の好みが変わってきます。

 

1つの原因に筋力低下があります。

がんの進行に伴い、筋力が低下し固いものが食べれなくなります。

普通に炊いた固いご飯を飲み込むのにこんなに力がいるのかと思うぐらい、飲み込むのが大変になります。

ステーキのような肉のかたまりは、そしゃくしたり、飲み込むのに力がいるため食べるのが大変になります。

病気の進行にあわせ、柔らかいものを好むようになります。食事の形態を変えなくてはなりません。

インフルエンザにかかったことがある方はご理解頂けるとおもうのですが、40℃ぐらいの高体温になると味覚がかわり、普通の食事は味がしないような感じになりますよね。

 

インフルエンザの味覚変化と末期がん患者の味覚変化は違いますが、味覚が変わるという点はよく似ています。

がん患者さんはたくさん食べることが出来ません。少ない量でも出来るだけ美味しく、食事を楽しむためには「好きなもの」を食べることが重要です。

 

家族が「何を食べたいか」と聞いても、思いつかない方が多いようで、ある程度察して患者自身に提供してあげる手助けが必要があります。

病気が進行するとどのようなものを好むようになるのか?




味が濃いもの

一般的には味の濃い軟らかいものを好むようになります。佃煮や梅干しを好む方はたくさんいます。

つくだ煮の中でも海苔のつくだ煮はお粥にも合うし、味が濃いので好む方多いです。

基本的に主食がお粥になりますので、お粥のお供になりそうなものは試してみる価値があります。

軟らかくて、味が濃いモノを好むというのは1つの傾向ですが、固くてもらっきょうの酢漬けを好まれたり、ショウガの漬け物を好む方もいるようです。

以前末期がん患者の病室に伺ったとき、らっきょうの酢漬けのデカい瓶がおいてあり驚いたことがあります。

その方は元気な時はラッキョウを好んで食べていた訳ではないんですが、抗がん剤の治療中に知り合いがラッキョウの酢漬け持ってきてくれてからハマったそうです。なぜラッキョウを持ってきたのかは不思議でしたが…。

 

とにかくいろいろ試さないと何が口に合っているのか分かりません。

末期がん患者はたくさん食べれる訳ではありませんし、残された時間も少ないので、出来るだけ短時間で好みのものをチョイスしてあげる必要があります。

小瓶の佃煮の詰め合わせは、短時間で好みを見つけるには詰め合わせが最適だと思います。

おいしいつくだ煮でしたら、の小瓶の詰め合わせは風味豊かで味が濃いので、いろいろ試すにはちょうどいいサイズです。

 

自分が好きでよく取り寄せるので紹介しておきます。萩の井上のしそわかめは、お粥との相性がバッチリです。

油系、タンパク質系を好む方はあまりいません。

味が濃いものを好むからといって、唐揚げなどは匂いは良くても、のどを通らないことが多いようです。たとえ小さく刻んだとしても…

 

普段よりも味覚を感じる感覚が弱くなり、塩や醤油を追加する方も多く見られます。

 

口当たりが冷たいもの

もう1つの傾向としては口当たりがよく冷たいものを好む傾向があります。

アイスクリームはベストチョイスです。

ハーゲンダッツのような味が濃厚なアイスを好みます。

また、小さく割った氷も非常に好まれます。水を飲むことが難しいような方でも小さい氷であれば口に含んでゆっくり溶かしながら水を飲むことができます。

末期になると普段以上に、口の中の冷たい感覚が気持ちよく感じるようです。

氷を手元においておくために、小型の水筒が便利です。水筒を手元においておくといつでも氷を口にできます。大きい水筒は力がなくなってくると持つのが大変です。

 

季節のくだもの

わたしのような年代だと、お見舞いと言えば果物盛り合わせという感じがしますが、末期がん患者は基本的に果物は固いのでたくさん食べれません。

バナナなど軟らかいものは良いですが、柿やリンゴはたくさん食べれません。

しかしながら、果物は口に入れると季節の香りが広がり、また口当たりもひんやりするため好まれることが多いです。

果物の盛り合わせは、ちょっとサイズが大きいような気がします。コンビニなどでカットされた果物がありますが、あれぐらいのサイズがちょうどいいし、食べやすいと思います。

コンビニに行くとスムージーがたくさんおいてあります。スムージーのように果物の匂いが口に広がるような飲み物はいいですね。

季節感のある果物を食べると、生きている感じを確認することができるため、食欲が低下し、自信をなくしているような方には是非口にさせてあげたいですよね。

 

ここにあげたもの以外にも、末期がんの方が好まれる食べ物はあると思います。

体が痩せ、体力が落ちると、たくさんは食べれませんが、1回の食事を楽しみたいという気持ちは変わりません。

いろいろ試すことが肝要だと思います。

 

最後の晩餐人生最後の食事は、ガン末期の患者の食事に関して参考になる良書です。手に取ってみてはいかがでしょう。