癌の痛みの上手な伝え方 




自分らしい生活を過ごすためには、生活の妨げにならない程度の痛みなって欲しいですよね。

完全に痛みのない生活は難しくても、痛くて眠れないとか、痛くてテレビも見れない状態で過ごしたくありません。

ガン末期の辛い痛みは共通した症状ですが、人それぞれ感じ方が違います。場所も程度も痛み方など、人によって異なります。

ガンの痛みは千差万別であり、伝えることが難しいのです。

しかし、痛みをうまく医者に伝えられず、痛みを我慢しなくてはならなくなったら残念です。

ここではお医者さんにどのように痛みを伝えたら、あなたにあった痛み止めを処方してもらえるのかを6項目に分けて簡単に説明します。

  1. 痛む場所と範囲を全部伝える
  2. 痛みが強くなる時間を伝える
  3. 痛みが強くなるときどれぐらい続くか伝える
  4. 痛み方を伝える(重たい痛みとかズキズキするとかヒリヒリするとか)
  5. 痛みの程度を数字だけで答えない。痛みで何が困っているか伝える
  6. 痛み止めの効果を伝える




1.痛む場所と範囲を全部伝える

痛むすべての場所を伝えましょう。痛む場所は1カ所とは限りませんよね。

範囲もしっかり伝えてください。痛みが狭い範囲なのか広い範囲なのかで痛み止めの種類が変わります。広い範囲であれば麻薬性鎮痛薬がよく効きます。

痛む場所が増えてきたり、範囲が広くなると転移などを疑うきっかけにもなります。

 

2.痛みが強くなる時間を伝える

朝方に痛みが強くなる方、よる痛みが強くなる方など痛みが強くなるときは様々です。

上手に痛みを伝えるためには、痛みが強くなる時間をメモしておきましょう。

麻薬性鎮痛薬を飲んでいる方で朝方痛くなる方は、体の中の薬の濃度が下がり、痛みが生じていることがあります。

朝起きたときに頭痛が酷くなるという症状は脳転移の兆候かもしれません。きちんと伝えましょう。

夕方や夜痛みが強くなる方は不安が強くなっていることが原因かもしれません。

 

3.痛みが強くなるときどれぐらい痛みが続くか伝える

痛みは日内変動します。ガンの痛みの中には突然痛くなって30分以内に痛みが消失する突出痛という痛みがあります。

痛みがどれぐらい続くかによって、飲む薬が変わってきます。

最近は口に入れて直ぐ効く薬も開発されています。痛みが数分でピークを迎えるようなタイプの痛みの場合、この薬を上手に使えば、痛みをスグに取り除いてくれます。

レスキューを使っても、痛みが何時間も続くのであれば、痛み止めが足らないのかもしれません

 

4.痛み方を伝える(重たい痛みとかズキズキするとかヒリヒリするとか)

痛みはいろいろな痛み方をします。例えば虫歯の痛みはズキズキしますよね。お腹の痛みはキリキリします。

いろいろな表現方法がありますが、ガンの痛みの中にはビリビリ、ジンジンするようなタイプの痛みがあります。

今まで感じたことのないような痛み」というキーワードはガンが直接神経を刺激している痛みかも知れません。

モルヒネのような麻薬性鎮痛薬の効果が弱いと言われています。神経の興奮を抑える薬を使うと痛みを効果的に抑えてくれます。

お医者さんは、ピリピリとかズキズキ、ヒリヒリする痛みというキーワードに敏感です。痛みを伝える時は二文字のカタカナの繰り返しで痛み方をしっかり伝える必要があります。




5.痛みの程度を数字だけで答えない。痛みで何が困っているか伝える

お医者さんや看護師さんから痛みの程度を0から10の数字で表すように質問されたことがないでしょうか?

人によってはすごく痛いのに4と答えたり、全然痛くなさそうなのに10と答える場合があります。この数字での表し方は患者が不利益を被ることがあるようです。

医者によっても5と言われると痛そうだと感じる場合、5ならまあいいかと判断する場合等、バラツキがあります。

お医者さんは数学が得意ですが、数値から痛みのイメージをつかむ人は少ないです。

患者にとって大事なことは痛みの程度を数字だけでなく、痛みで何が困っているかを伝えることです。

痛みで眠れない、痛みで歩けない、痛みで食べれない、痛みで手を上げられない、痛みで座っていられない、起き上がるとき痛みが強い、水を飲むと痛い、食後しばらくするとお腹が痛くなる…

 

もう1つ痛みの程度を伝える方法として「◯◯◯痛い」という方法があります。

すごい痛い、我慢できないぐらい痛い、我慢できるぐらい痛い、ちょっと痛いなど「◯◯◯痛い」と伝えることで、お医者さんに痛みの程度が伝わります。

 

6.痛み止めの効果を伝える

痛み止めを飲み始めた後も、1〜5の痛みの伝え方を行う必要があります。

痛み止めを処方されたら、痛みがどれぐらい改善したか、改善していないのかを伝えるとさらに痛み止めを調節してもらうことが出来ます。

痛み止めの効果を伝える時は、痛みの程度を先ほどの方法で伝えることが重要です。

痛み止めを飲むとある程度効果があると思います。ちょっと良くなったかといって、「良くなりました」と言ってはいけません。

お医者さんは素直な方が多いので、患者が「痛くなくなりました」というと、痛くなくなったんだと判定します。勘深く探ってくる方は少ないです。

どの程度の痛みになっているか「◯◯◯痛くなりました」で伝えないと痛いまま我慢することになります。

このとき、副作用(吐き気、便秘、眠気、せん妄)などもしっかり伝えましょう

 

6つのことを意識して、上手な痛みの伝え方をマスターしましょう

ここまで読んでいただきありがとうございます。

ガンの痛みは正しい知識があれば、8割軽減できます。関連のある記事をお役立てください。