臭う壊死した組織にはモーズ軟膏でにおいをコントロール




医学的な処置で悪臭対策

乳癌のような表在のガンは大きくなってしまうと、崩壊し、癌組織が腐り、強い悪臭を放つようになります。

臭いの原因は、癌組織から漏れだす液に嫌気性菌が感染したり、表皮で崩壊した癌組織に嫌気性菌が感染するためです。

臭いの原因が感染であるので患部を清潔に保ち、嫌気性菌の繁殖を抑える薬剤を塗れば臭い対策になります。

崩壊し、癌組織が露出し、漏れてきた浸出液は栄養が豊富であり、嫌気性菌が感染しやすく、服についたりシーツに着いた状態を放置しただけでも強い臭いを発するので、癌組織だけでなく、浸出液をどうして行くかが、臭い対策としては重要です。




メトロニダゾール軟膏・ロゼックスゲル

ロゼックスゲル(メトロニダゾール軟膏)という嫌気性菌を抑えるための塗り薬があります。患部に塗ると患部の嫌気性菌の繁殖を抑え、臭いの元を制御できます。しかし、浸出液に対してはロゼックスゲルの効果は乏しいのです。

患部からの浸出液が多いと、ガーゼやティッシュで何度も拭き取るようになります。拭き取ったガーゼやティッシュを近くのゴミ箱に捨てると、ゴミ箱の中で臭いを発生します。

ベッドサイドにビニール袋をぶら下げ、使ったティッシュをビニール袋に捨て放置すると、臭いが部屋中に充満します。

浸出液が多い方は、ガーゼやティッシュを出来るだけこま目に遠くに捨てにいくか、密閉できるゴミ箱に捨てないと臭いが部屋中に充満します。

ロゼックスゲルは有効ですが、浸出液を減らしません。使用したガーゼやティッシュをどう処理してゆくか工夫しておかないと臭いは消えません。

ふたの出来る小さめのゴミ箱消臭スプレーなどは、少しでも臭いを減らすよい工夫かもしれません。

↑蓋が出来るのゴミ箱は臭い対策に適しています。

↑臭いが減る袋もあります。参考にしてください。

モーズ軟膏

タンパク質を科学的に変性させ、癌組織をカチカチにしてしまうMohs(モーズ)軟膏があります。

どんな軟膏か簡単に説明しますと、塗るだけで生卵をゆで卵のようにカチコチにしてしまう軟膏です。

癌組織に塗ると、ガンが変性しカチコチに固まり、浸出液の漏出が止まります。

変性した癌組織は嫌気性菌の感染が収まるため腐敗が止まります。故に臭いは劇的に軽減します。一度塗布すると、1週間から2週間ぐらい、出血や浸出液の漏出が軽減します。

何度もガーゼ交換をする必要がなくなり、楽に過ごせるようになります。臭いも減りますので、気持ちも楽になります。

ガンが大きくなれば、また浸出液が増えてくるので、もう一度モーズ軟膏を塗布します。

モーズ軟膏は正常な皮膚に触れ、皮膚が変性すると強い痛みが出ます。強烈なやけどのような状態になるためです。そのため、扱いがとても難しい軟膏です。

癌組織は神経がつながっていないので、モーズ軟膏を塗布しても全く痛みがありません。

扱いが難しいため、一般薬局では売っていません。皮膚科や乳腺外科に入院して処置してもらう軟膏です。

モーズ軟膏の一般的な配合です。

モーズMohz軟膏
  • 塩化亜鉛
  • 亜鉛華でんぷん
  • グリセリン

モーズ軟膏のメカニズムは、亜鉛イオンのタンパク質を変性させ凝集させるというものです。

 

終末期に臭いで困っている方がの知識として記事を書かせていただきました。

この他にも臭い対策の記事がありますので、参考にしてください。