がんの死に方について




私どもはこのサイトを通じはガンを患った方がどのように人生の終焉を迎えるのかについて詳細に解説してきました。

このページでは一般的な「死」の迎え方についてお伝えします。がんによる死は特別ではなく、一般的な死の迎え方であると考えています。その理由についてこれからお伝えしたいと思います。

我々の多くは他人に迷惑がかからないように死んでゆきたいとか老衰で死にたいと漠然と考えている人が多いようです。残念ながらそのような都合の良い死に方は心筋梗塞や脳卒中などの急死や交通事故のような心の準備が全く出来ていないお別れとなります。




日本人の死因順位

現代人はガンになって死ぬ方が3割もいます。つまり、3割の人はガンと診断され、自分の人生の終わる期限の予測がついてから死を迎えることになります。それなのにどのように死を迎えてゆくのかはあまり知られていません。

何人かに一人は交通事故や脳出血、心筋梗塞などの突然のイベントで死を迎えますが、予測のつかない死を迎える人は10人に1人ぐらいだと言われています。

現代人のほとんど人はある程度、衰弱して死を迎えます。厚生労働省の死因順位によると、癌が30%、心疾患が15%、脳血管障害が10%、肺炎が10%、老衰が3%ぐらいとのこと。

心疾患や脳血管障害で突然死んでしまうこともありますが、多くの場合治療してもらうと日常生活に戻れます。しかし病気になる前よりも体力が落ち、動けなくなります。何度か心不全や小さな脳梗塞を繰り返し、段階的に体力がおち、衰弱するのです。

肺炎は体力が衰えている場合は死因となります。元気な人なら治療してスグに良くなります。食べ物が肺に入り肺炎になる誤嚥性肺炎は、飲み込む能力や咳をする能力が衰えてきているためにおきます。意外性は少なく、想定範囲内の人で生じる病気です。

機能まで元気に歩いていた方が肺炎になって死ぬという事態は考えにくいのです。

参考:厚生労働省死因順位

多くの方が希望している死の迎え方は「老衰」ではないでしょうか?「平均年齢ぐらいまで生きて、自然のままに死を迎えたい」と願っているのではないでしょうか?心配しなくても、ほとんどの人は衰えて死を迎えます。

老化の大きな問題は、体力の低下と脳機能の低下が一致していないところです。認知機能の低下が先行すると徘徊などをするようになり周囲の人たちは困惑させられます。

 

がんは年齢関わらず生じてしまいますが、やはり衰弱して死を迎えます。つい半世紀前まではガンと診断されず、衰弱して死んでゆく人がたくさんいたと考えています。昔は70歳や80歳を過ぎた方が肺がんを患い、急に体力が落ちたとしても誰も不思議に思わなかったでしょう。

現在は素晴らしい画像診断や検査方法で早期に癌を発見することが出来るようになり、ガンと診断されてから死を迎える人が増えたのかもしれません。

がんによる衰弱の場合、認知機能が先行して低下することはほとんどありません。がん患者が余命数週間になり、夜に徘徊することはあります。ほとんどの方は筋力の低下が先行します。頭の機能の低下が問題となるのは余命数週間の間です。

 

ほとんどの死は衰弱の延長上にある

ガンになって死ぬことはとても恐ろしいです。しかし、急に人生の終焉が訪れはしません。まだ食事が出来るのに急に死んだりしません。

ほとんどの方は体力が徐々に落ちて、ゆっくりと衰弱し、まるで老衰のごとく死を迎えます。時に出血が止まらず想定より早く死を迎える場合もありますが、少数です。10〜15%ぐらいのがん患者が想定より早く死を迎えますが、あくまで想定よりちょっと早めぐらいの程度の話です。

人生という登った山をゆっくりゆっくり下山してくるのです。周囲の景色を見ながら、ゆっくりゆっくり。のぼりは1人で辛かったかもしれませんが、最後にはお別れが待っていますが下りはたくさんの人と一緒です。

わたしたちの一般的な死というのは衰弱の延長線上にある終点であり、癌の死に方も同じです。

 

わたしたちの3割は、ある日突然ガンによって死を迎える可能性が高いを宣告されてしまうのです。

想像がつきにくいかもしれませんが、この記事を読んでいるあなたも、書いているわたしもいつかは衰弱し、死を迎えます。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。