息が苦しい?その症状は我慢する必要はないかもしれません
もし、ご飯が食べれる状態なのに、息が苦しかったり、何もしていないのに息が苦しいのであれば、適切な量のモルヒネを投与されていないかも知れません。
一般的にガンが進行するとどこかの段階で息が苦しくなります。
肺ガンでは多くの患者が最期の一ヶ月に入る前から、チョットした動作だけで息が苦しく感じます。
肺ガンはガン自体が肺大きくなり、正常な肺の組織を減らしています。
さらに、ガンにより周囲の組織に炎症を起こしているので酸素の取り込みや二酸化炭素の排出が悪くなり、息苦しい感じを生じやすくなります。
息苦しさを感じる原因は、肺組織が減ること自体以外にも、呼吸に関わる筋肉が落ちることによって生じることがあります。
肺ガン以外のガンであっても、悪液質が進行し、痩せると呼吸のための筋力が低下し、十分な息を吸うことができなくなり息苦しさを感じるようになるでしょう。
意外なことかもしれませんが大腸ガンの肺転移などはCT画像やX線画像はすごく派手なのに、息苦しさがでないこともあります。
動いてもいないのに疲れる「苦しい。あー苦しい。」とベッドで横になっているだけで、動いてもいないのに息が苦しいという感じは痛みと同じぐらい、辛いことです。
ちょっとした動きで息苦しさが生じるような状態になると動くと活動意欲は減ってきます。
つまり「息苦しい感じ」は、生きる意欲を奪っていきます。
息苦しい感じが続くと「早く死にたい」と願うようになってしまう人もいます。ガンの症状の中でも息苦しさという症状は、こころを蝕む作用が強いのです。
息苦しい感じが非常に耐え難いということは実感できるのではないでしょうか?
息苦しく感じる理由をもう少しお伝えさせてください。
筋力低下による息が苦しくなる原因は吸ったつもりに見合った分だけ肺が膨らまないためです。自分が吸いたい量の空気を吸えなくなると、苦しい感じがするのです。
マスクをしているときちょっと息苦しい感じがしますよね。
また、血液中の酸素が減れば苦しく感じるようになりますよね。また二酸化炭素が増えても苦しく感じるようになるんです。
肺では血液に酸素を取り込み、二酸化炭素を出すという働きをしています。
もし正常な肺が減ってゆけば、息が苦しくなるということは直感的に理解できると思います。
正常な肺の体積が減ると、酸素と二酸化炭素のガス交換が不十分となり息苦しさを感じます。
不思議なことかも知れませんが、肺での酸素の取り込みが悪いと必ずしも息苦しくなるとは限りません。
血液内の酸素濃度が減ると苦しく感じることが多いのですが、苦しい感じに慣れてくることもあります。
しかし、筋力は戻らないので、動きを少なくしたり、薬剤を使ったり、酸素を使ったりして息が苦しい感じを緩和してもらう必要があります。
末期患者の場合、ガンを小さくすることは難しいです。息苦しさという症状を緩和することで、穏やかに過ごすことが可能となります。
息苦しい感じをとるためにモルヒネ等を使うのですが、痛みもないのにモルヒネを使いたくないという人がいます。
モルヒネを避け、息苦しい感じを耐え忍ぶことは残された時間をわざわざ辛く過ごしているだけです。
息苦しい感じはある程度、薬、酸素でコントロールできるようです。自分らしく過ごすためにも我慢しているようであれば、お医者さんに相談してみましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ガンと息苦しさ関する記事だけでなく、ガンの終末期に関わる症状については、下にある「もっと読んで心を軽くする」という関連記事欄がございますので参考にしてください。
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