脳腫瘍の末期症状の特徴

脳腫瘍

脳腫瘍自体頻度の低いガンです。病気になる人の数が少ないこともあり、脳腫瘍は余命判断が難しいとされています。

脳腫瘍以外の癌は痩せて、生命活動に必要な筋肉が減少して死を迎えます。呼吸する力など生きてゆくための筋肉が減少し死を迎えます。

脳腫瘍は他のガンとちょっと違います。何が違うのでしょうか?脳腫瘍は痩せる前に正常な脳組織を圧迫した症状が現れてしまいます。

脳腫瘍も痩せますが、命に関わる最大の原因は脳腫瘍が頭蓋骨内で癌が大きくなり、脳の大事な部分を圧迫してゆきます。脳腫瘍が脳のどの部分で生じるかによって、失われる症状が異なり、末期症状も様々であることも、余命予測を難しくさせています。

脳腫瘍はなぜか「脳がん」とは言いません。脳腫瘍は他のガンに比べ、ちょっと得体の知れないところがあり、恐ろしい感じがしてしまいます。

それでは脳腫瘍の特徴についてお話ししていきたいと思います。




脳腫瘍の特徴

  1. 脳圧亢進症状(頭痛・嘔吐・意識障害)
  2. 腫瘍が大きくなる場所によって失われる症状が異なる
  3. 痙攣、意識障害が生じる
  4. 悪液質も徐々に進行する
  5. 目の症状

1.脳圧亢進

脳みそは頭蓋骨に囲まれたスペースに存在しています。ガンが大きくなっても、外の殻が骨であるため、外側に膨らむことができません。

そのため、腫瘍が大きくなればなるほど、頭ガイ骨の中の圧力が上がります。いわゆる脳圧が高いという状態です。

脳圧が高くなる原因には、腫瘍のサイズが大きくなるだけでなく、腫瘍周囲の浮腫不十分な脳脊髄液の吸収があります。

脳圧が高くなると、頭痛嘔吐が生じます。頭痛は硬膜や脳血管にある痛みの受容体が刺激されて痛みを生じます。

脳の圧力が高くなると嘔吐中枢を刺激するために突然吐きます。脳圧亢進の嘔吐は、嘔気がない場合が多いのが特徴です。

さらに脳圧が高くなると元気がなくなったりぼんやりした状態になります。

さらに脳圧が高くなれば、意識レベルが低下し、食事が出来なくなり、返事をしなくなったりします。

最終的には重度の意識障害呼吸障害が出てくるため命に関わることになります。

 

多くのガンでは病状が末期に近づいてはじめて意識レベルが悪くなります。そのため内蔵に出来るガンは意識レベルが悪いということはお別れが近くなっているサインになります。

一方、脳腫瘍の場合は、脳圧亢進により、意識障害が現れます。脳腫瘍は意識の状態が悪い状態が半年以上続くこともあり余命の判断が簡単ではありません。

多くのガン患者ではこん睡状態に なれば数日から一週間ぐらいの余命ですが、脳腫瘍の場合は意識状態から余命判断ができません。

 

脳腫瘍の患者の場合、余命が半年以上あるのに、食事が自分で出来なくなることもまれではありません。

これからお話ししますが、脳腫瘍の症状は脳圧亢進による者だけではありません。症状が様々であり、余命判断が難しくなります。

 

意識がしっかりしている間は、頭痛を強く訴える方が多いです。朝方、強い頭痛を訴えることが多いです。毎日、毎日頭痛に悩まされます。

脳圧を下げる薬やモルヒネやアセトアミノフェンやロキソニン等のNSAIDsとよばれる薬を使いコントロールします。

末期になると痛みを訴えることが出来なくなります。脳腫瘍が正常な脳の機能を奪うことや脳圧が高くなることによる辛い症状で苦しむ方が多いようです。

 

 




2.正常な機能を奪う(巣症状)

脳腫瘍の発生部位によっていろいろな症状が出ます。例えば左の大脳で発生した腫瘍が大きくなると、右手、右足が動かしにくくなります。

言葉をつかさどる部位で腫瘍が大きくなると言葉がうまく出なくなります。

脳の後ろの方で腫瘍が大きくなれば、見ることが不自由になります。

動眼神経など眼球を動かす神経を圧迫すると、モノが2つに見えたりします。

三叉神経を圧迫、浸潤すれば痛みが生じます。

 

脳の中心付近でガンが大きくなれば、覚醒状態が悪くなります。

などなど、発生した場所によっていろいろな症状が出てきます。

 

ガンが大きくなるにつれ、このような巣症状から脳圧亢進の症状が目立つようになります。

人格の変化

脳腫瘍の場合体の自由が損なわれてゆくことに合わせもう1つの特徴として、進行とともに人格が変化することがあります。

明朗快活だった人がおとなしく、覇気がないような性格になったり、怒りん坊になったり子供みたいにわがままになるなどの人格変化が現れることがあります。

 

周囲の人にとっては大変辛い思いをすることになるでしょう。

子供みたいにわがままになって半年ベッド上で過ごしたという方もいるようです。




3.痙攣・意識障害

脳腫瘍のメジャーな症状として、痙攣が有ります。腫瘍が大きくなるにつれ頻回になりがちです。

また、脳みそを覆っている髄膜に転移すると、痙攣や意識障害が生じやすくなります。

末期の脳腫瘍の方で、意識がほとんどなくても痙攣が毎日生じるようなことも有ります。

 

4.悪液質

がん患者の多くは癌細胞による炎症により、極度に痩せています。

脳腫瘍の方もヤセていることが多いです。脳腫瘍の場合、脳圧亢進により意識状態が悪くなり食事が出来なくなったり、嚥下中枢が障害されうまく飲み込むことが出来なくなり、十分な栄養を取ることが出来ないことも痩せの大きな原因だと感じています。

脳腫瘍も悪液質を引き起こしますが、腫瘍のサイズが大きくなる前に、命を落とすことが多いように思います。

 




脳腫瘍の方はどのように最期の時を迎えてゆくのでしょうか

脳腫瘍は病気の進行程度と意識状態が相関しないので、最後の迎え方は様々です。ある人は悪液質と栄養状態の悪化によりお亡くなりになります。

またある人は、嚥下機能の低下により、誤嚥を生じて肺炎が原因で臨終を迎えます。

咳反射が弱まり、痰が詰まり、窒息して急逝するという臨終の迎え方もあります。

脳腫瘍が大きくなり、呼吸中枢が圧迫され最期を迎える場合も有るでしょう。

脳腫瘍から出血しておなくなりになる場合も有ります。

脳腫瘍は、いろいろな最期の迎え方があり、失われる症状も様々であり、家族も本人も辛いと思います。

誤嚥性肺炎が生じやすい

脳腫瘍は誤嚥性肺炎が生じやすいガンです。

脳圧亢進により飲み込む機能が低下します。飲み込むという動作は非常に複雑です。ちょっと唾液をごくんとしてみてください。飲み込むためには空気が入らないように、口を閉じ、鼻から空気が入らないように喉の上の方を閉じなくてはなりません。また、気道に唾液が入らないように喉頭蓋という「ふた」をとじ、声門を閉じます。お話ししながら喋るとむせるのは声門を閉じていないからです。さらに唾液が逆流しないように食道が動き、今で唾液を運びます。

詳しく書くともっと複雑なのですが、飲み込むという複雑な機能は脳の一部分が損傷しただけでもおかしくなってしまいます。

脳腫瘍の多くの方は脳圧が上がり、正常な脳が圧迫され飲み込む機能がおかしくなり、誤嚥性肺炎を引き起こします。体力があれば誤嚥性肺炎は治りますが、体力がない場合は致命的になるかもしれません。

誤嚥性肺炎を生じるようになったら、余命は数ヶ月以内でしょう。

 

脳腫瘍は内蔵に出来るガン以上に家族の支えが必要だと感じさせられる病気です。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

下に関連記事欄がございます。もくじカテゴリーも参考にしてください。

 

スポンサーリンク


関連記事

終末期の症状を決める3つの要素

6 件のコメント

  • 大腸がんから始まって最終的に脳に転移した家族ですが、今の症状が読まさせて頂いて、

    非常に該当し、納得出来ました。ありがとうございます。

    • 大切な人が脳転移の症状で苦しむ姿を受け入れることは辛いと思います。このサイトに来ていただき、少しでも気持ちが軽くなったのなら、サイト運営者一同冥利に尽きます。気持ちの辛い最中、コメントいただきありがとうございます。

  • 母が脳腫瘍(グレード4)で手術後1年ほどになります。
    抗がん剤を服用していますが、最近少し悪くなってきているようで、月末にMRI予定です。
    手術後に2年弱ほどの余命と宣告されていますので、そろそろかとは思っています。
    末期症状はどんなものかと検索してたどり着きました。
    いろいろな最期があるのですね。
    苦しまずに逝ければいいと思いますが・・・。
    こういうサイトがあって参考になりました。
    ありがとうございました。

  • 患者本人が読んで大きく落胆しました。
    今月2018:10:20に良性と言われましたが、手術は難しい場所です。
    恐ろしくなりました。

  • 6月に83歳の義父が悪性脳腫瘍で倒れ、手術をしても良くて1~2年、手術をしなければ数週間~数ヵ月と宣告され、本人が手術をしない道を選び闘病してきましたが10月1日に旅立ちました。
    脳腫瘍について知識がなく、病院を退院させられてからの自宅介護が手探り状態でしたので、こちらの記事がとても頼りになりました。ありがとうございます。
    だいたい記事にあるような症状があらわれ、8月に入ると自立歩行ができなくなり、本人の希望で義母が入所している施設に移って過ごすことになりました。
    お盆過ぎに誤嚥を起こしてからは飲食ができなくなり、程なく寝たきりになり、会話もできなくなり、だんだんと呼吸が厳しくなり、心肺停止状態で看護師さんに発見されるという最期でした。
    義父の脳腫瘍は、倒れた時には6cmになっていました。
    今思えば、症状はいろいろと出ていました。手首のしびれと痛み、視野狭窄、頭痛等を訴えてきましたが、それぞれ別の病院にかかっていたこともありまさか脳腫瘍だとは思わず…。
    倒れて運ばれた病院で、こんなになるまで何故放っておいたのかというようなことを言われ、とても辛かったです。

    • コメントありがとうございます。脳腫瘍は想定できないような症状が現れてしまいます。種類もたくさんありますが、程度も様々であり決定的な症状が出ないと気づきにくいと言われています。特に発熱や軽い頭痛、軽い意識障害は調子が悪い程度に思ってしまいがちです。多少なりとも症状はあったようですが、6月まで介護もなく自宅で過ごせていたことは素晴らしいことだと思います。ご苦労の多い半年間だったと思います。そのような中でも、私らのサイトが少しでもお役に立てたことは冥利に尽きます。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください