前立腺がんの末期症状の特徴




前立腺がんは進行がゆっくりです。ガンと診断されからもかなり長く生きるケースが多いようです。

わたしの前立腺がんの終末期のイメージは、足がむくみ、骨転移のため痛みが強く、ベッド上で長く過ごしているイメージです。

ガンで最後を迎えず、その他の原因で寿命を迎えたり、天寿を全う出来る方も多いようです。死なないガンとも言われています。

前立腺がんの特徴

  1. 進行がゆっくり
  2. 骨転移
  3. 尿トラブル
  4. 骨盤内リンパ節転移による足のむくみ

 

①進行がゆっくり

前立腺がんは進行が遅いタイプが多く、がんと診断されても、天寿を全う出来る方も少なくありません。放射線治療や化学療法、内分泌療法など適切な治療を行えば、かなり長く病気と共存できるようです。病気分類でステージ4という多臓器に転移している状態であっても、何年も生きている方も多くいます。

前立腺がんは進行が遅い分、末期になるまでに骨の転移を生じます。骨への転移で問題となるのは痛み、骨折、移動範囲の減少です。骨折による痛みはモルヒネなど麻薬性鎮痛薬が効きにくいという特徴があります。

肺がんや胃がんなどとは違い、月単位や週単位で体重が減るような進行をしません。

 

②骨転移

前立腺がんが進行すると、骨への転移が避けられません。

骨折した時の痛みを想像してもらうと分かりやすいかもしれません。骨の痛みはとても強く、モルヒネなどの麻薬性鎮痛薬が効きにくいという特徴があります。

骨に転移すると骨が硬くなる場合と、骨が溶ける場合があるのですが、前立腺がんの場合は骨が硬くなるパターンです。

骨が硬くなると骨折しにくくなりそうですが違います。正常な骨は竹のようにしなるため、折れにくいのですが、転移で骨が固くなるとガラスの棒のようにもろくなります。

ちょっとした衝撃でポッキりと折れやすくなります。

 

骨折すると当然痛みが強くなります。また、骨折すれば動けなくなります。ガンの骨折は治りにくく、動ける範囲が制限されてしまいます。

背骨が折れると、下半身が麻痺してしまう場合もあり、活動範囲が激減します。

 

前立腺がんの骨転移の症状がでてくるのが、余命があと数ヶ月になってからではありません。余命が年単位で残っているのに、下半身が動かなくなったり、骨折が生じてしまうのです。強い痛みを感じながら長期間生活する場合もあります。

下半身の動きが不自由になって、数年生きるという方もいらっしゃいます。

 

肺がんや胃がんなどは悪液質で体がやせ細り、食欲が減り、生活の活動範囲が減りますが、前立腺がんは末期といわれる状況になる前に骨のトラブルで活動範囲が減ってしまう方がいるのです。

 

③尿トラブル

前立腺が大きくなることで、オシッコの回数が増えます。尿漏れや血尿も出てくることがあります。

前立腺が大きくなると膀胱を圧迫し、膀胱で貯められる尿の量が減ります。夜、オシッコに行く回数が増えしまうので、不眠に悩まされる場合があります。

骨転移で動けなくなっていると、トイレに行くことが出来ず、不本意にもオシッコを失敗してしまう場合があります。おもらしは自分に対する自信を消失するデリケートなイベントです。

オシッコの流れる道(尿管や尿道)が詰まると腎臓の機能が低下し、腎不全になってしまうこともあります。

横っ腹から直接オシッコを出す管を入れる場合もあります。腎瘻といいいます。オシッコを貯める袋を24時間携帯する必要があり、少し生活が不自由になります。

国立がん研究センターの腎瘻の写真へリンク

④リンパ節転移

骨盤のリンパ節に転移すると足が浮腫むようになります。

リンパ節は不要な水分を静脈に戻す働きがあります。これが癌細胞で圧迫されたり、詰まったりすると水分を戻すことが出来なくなり,足が浮腫みます。

リンパ節転移は発生したガンの近くに最も転移しやすいので、前立腺の場合骨盤内のリンパ節に転移しやすくなります。婦人科のガンも骨盤内リンパ節に転移しやすく、終末期では下半身の浮腫が問題になります。

 

 

前立腺がんの末期症状のまとめ

進行が遅く、全く症状なく過ごす場合も多いです。しかし、進行すれば他のガン同様に周囲組織への圧迫症状や転移の症状が出てきます。

消化管への症状が少ないため、相当進行しないと、食欲低下はほとんど生じません。

ホルモン剤を使うと進行が遅くなり、悪液質の進行も非常にゆっくりであり、やせが目立ってくるまで年かかることもあります。

ここまで読んでいただきありがとうございます。前立腺は骨転移、痛み、余命予測などの記事がお役に立てると思います。参考にしてください。

参考;国立がん研究センター 前立腺がん