残された時間が短くなると、かけがえのない時間をどう使うと充実させらえるのか悩むところです。
このサイトに訪れてくれた方の多くは、残されている時間が少なくなっているという状況だと思いまます。
世間一般の、もう治らないであろう患者を支えている家族たちは、どのように過ごしているのか、知りたいところだと思います。
残されている時間はそんなに長くないとわかっているけど、じゃあ一体どういうふうに過ごしたら、後悔しない最期をすごすことができるのか?
最後の時間が充実しているか?
難しい問題ですが、わたしがいままで関わった人たちで、「最後の過ごし方を間違えた!」と後悔している方たちの多くは現状把握ができていなかった人たちです。
つまり、余命予測が大きくハズレていた人というのは、最後の過ごし方で後悔してしまう傾向にあります。
かなり痩せてきているけど、まだ頭がしっかりしてるので何年も残された時間がありそうに感じてしまい、積極的に親孝行したりしていませんでした。しかし、気づいたら食事ができずあと数週間しか残された時間がなかったというケースは後悔します。
もっと親孝行しておけばよかったと、心の奥に後悔が残ってしまいます。
逆に、ある程度余命予測をして、最後の1ヶ月、数週間だけでも「最後ぐらいしっかり親孝行する!」と決めて過ごすと後悔が少なく、大切な人とお別れした後の深い悲しみから立ち直るのが早くなると言われています。
余命予測して、過ごすだけで、最後の時間の充実度が変わってきます
もしこの記事を読んでいる方が、病気本人であったとしても、正しく残された時間を把握しておくことで、後悔を減らし、周囲の人に迷惑をかけずに最期を過ごす重要なポイントだと思います。
ガンがある程度進行し、治療に反応しなくなってしまったら、残念ながら、残された時間は長くありません。自分の病気はもうコントロールできないことを悟り、残された時間の過ごし方を自分で決めなくてはなりません。
奇跡を起こすらしい薬や、奇跡を起こす治療法にお金と時間を割いてしまうよりか、誰かのために時間を費やすことで充実した時間を過ごせると思います。
ガン末期は何もできないのか?
ガン末期という時期は、人間として誰かに何かを与えることができる最後の時期です。
わたしが感銘を受けた人たちの最後の過ごし方についてお話します。
正しく自分の病状を把握していると、後数ヶ月の命というのはなんとなく自覚出来るもののようです。最後の数ヶ月の間に、生きてきた間にお世話になった人に手紙を書いたり、自分の所有物を処分したという方は面持ちがスッキリしていて、穏やかに最期を過ごしている人が多いように感じます。
人生の後片付けを残された時間が数ヶ月になるころには済ませている人はとても素晴らしいと思います。
どうしても最後の時期は疲れやすくなるし、なかなか自分の思い通りのことはできません。本を読んだり、映画を見たりするのも辛くなります。好きな食べものも食べれなくなってきます。
そのような時期に、病気の本人が一日一日を充実させるのは難しいと思います。
最後の一ヶ月に入る前に、やるべきことリストを作り、達成しておくと後悔のない最期を過ごせるでしょう。
他の人はどのように最後を過ごしているのか?気になりますよね。
最後の過ごし方は、今で生きてきたことの延長でしかありません。
急に特別なことが出来る訳ではありません。
残された時間が少ないと分かっていても、今まで通りテレビで野球やドラマを見たり、新聞を読んだり、小説を読んだり、スマホをいじったり、スマホゲームをして過ごす方がほとんどです。
ホスピスでも自分の時間はスマホゲームをしているという人は少なくありません。一日中スマホをいじっている人もいます。
普段通り過ごして悪いというのではありません。むしろ普通だと思います。
もしもっと充実した時間を過ごしたいというのでれば、手紙を書くなど誰かのために時間を費やすと良いと思います。
生きる意味を探すことに意味があるか
最後の一ヶ月になり、「自分が生きる意味があるのか」と問いかける方がいます。
もしあなたが家族なら真に受けてはいけません。それは自分が失われてゆく辛さによる発言であり、寂しさと不安を解消してあげてください。
死の哲学
アルフォンス・デーケン氏の著書の「死とどう向き合うか」という書籍の中で、死の準備教育という項目があります。大学生たちに以下の質問のレポートを書かせているようです。
もしあと半年しか余命が残されていないのなら、残された時間をどう過ごすか
残された時間がわずかだと感じると、自分自身の存在価値や価値観を冷静に判断できるようです。
今まで行ってきた自分の人生を見返し、反省し、残された人生にどう活かすか考えてみると、死(限られた命)は生きるための問題を浮き彫りにするきっかけとなります。
参考映画
黒沢明監督の「生きる」という映画をご覧になった方も多いと思います。主人公は平凡な公務員で、定年まで働き、これからのんびりと過ごそうと思っていた矢先にガンで余命が半年と告げられます。自分自身が何もしてこなかったことに気づき、誰かのために何かを与えるための行動を起こす映画です。
死を突きつけらてて初めて、自分の人生を見返すのかもしれません。残されている時間が限られているからこそ、生きる意味を探すのかもしれません。
ガンは死生観を見つめ直す、大きなきっかけです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。