わたしのサイトに訪れてくれた方から、ガン末期の家族が出来ることはないのですかという質問がよくあります。
ガン末期の家族ができる最も大切なことは、辛い時間を患者本人と共有し、残された最後の時を大切に過ごすことです。
何度も申しておりますが、「そばにいてあげること」これに勝るものはございません。
しかし、寝ている時間が増えた患者と過ごす時間を持て余している家族の方は沢山います。
そばにいてもしてあげられることがない…
家族として何かしてあげたいと思う気持ちはあるんだけど何をしてあげたらいいか分からないという不安な気持ちになります。
全然食べてくれないし、話もしなくなってくる…
少しでも何か口にしてほしいと思って、いろいろなものを試してみるが、全然食べてくれない。
家族が患者のことを思って好きだった食べ物を買って行ったり、介助してもが全然喜んでもらえないのは寂しいですよね
よかれと思ってすることが患者の負担になってしまっては本末転倒ですよね。
体力が少なくなった患者にしてあげられることは何か?
喜んでもらえるのは入浴介助とマッサージです。
がんの末期になると入浴ですら大変なイベントになります。ガン末期であっても、入浴という行為は日本人の生活にはなくてはならない習慣です。
指先まで暖めることで気分がほぐれ心が落ち着きます。
入浴は末期患者にとって体力を消耗するイベントなので、毎日行うわけにはいきません。昼に入浴したら、翌日までぐっすり寝てしまう方もいるほどです。
入浴介助
体力が落ち自分で動くことが難しくなった病状で一人でお風呂に入ることはとても危険な行為になります。末期になったら、だれかに入浴中の介助をしてもら必要があります。
想像できると思いますが大人の入浴介助は重労働であり1人では難しいかもしれません。
もし、緩和ケア病棟や病院に入院されているのであれば、看護師にお願いして入浴介助を一緒にさせてもらうと喜ぶと思います。
足だけお湯につける「足温浴」もあります。
持続保温機能がついている高価な足浴機は必要ありません。洗面器や上記の安価な足浴バケツが使いやすくおすすめです。
マッサージ
いつも提案しているのはマッサージです。ベッドサイドで行うと、今までそばに居づらい感じがしていた方も、絆が深まる実感を得られます。
末期の患者は優しいタッチのマッサージを施すと非常に喜びます。マッサージは入浴に比べ危険も少なく、家族にかかる負担も大きくありません。
ゆっくりと肌をさするだけで、うっとりするぐらい気持ちいいものです。とくにガンが進行すると体がだるく感じるようになり、体を擦られるとだるさが落ち着きます。
だるさを感じる時に脚や体をさすったり、軽くもんであげると、だるさが軽減します。
さすり方の力の入れ方のコツ
末期になると皮膚が弱ってくるので、柔らかく、ゆっくりさすならないと皮膚にダメージを与えてしまいます。幼稚園の子供が触るぐらい、やわらかいタッチで擦らないといけません。
優しくさすってもらうと、痛みが和らぎ、だるさも緩み、心地よい眠気にどっぷり浸かってゆくことでしょう。
家族とのふれあいは、患者の自分が失われてゆく不安を軽減します。患者だけでなくそばについている家族も癒されるはずです。
マッサージにベビーオイルやマッサージオイルを使うと、滑りが良くなり、心地よさがアップし、肌の摩擦が減り、肌を傷つけません。
マッサージオイルは必ず必要な物ではありませんが、エステやオイルマッサージをしてもらったことがある方はご存知だとおもいますが、オイルを使う方が心地よく、眠気を誘います…
マッサージオイル
好みが別れるかもしれませんが、ナチュラルな優しい香りのするマッサージオイルを使うと香りでも癒すことができます。
マッサージオイルには様々な種類があり、どれを選んでいいか迷うかもしれません
安全性が高いと言われている市販のマッサージオイルでも、人によっては刺激が強く、アレルギー反応がでて湿疹や肌荒れを起こすことがありますので、使用には十分注意を払ってください。
マッサージオイルは大きく分けて3種類があります。植物由来、動物由来、ミネラルオイルです。
植物由来のオイルといえば、ホホバオイルが有名ですよね。サラッとして肌にも馴染みやすく、肌にやさしく使いやすいです。マッサージオイルとしては最高です。
動物由来のオイルにはスクワランオイルや馬油などがあります。スクワランオイルの原料はサメ肝油です。植物性のスクワランもあるみたいですが、ちょっと高価です。
人間の皮膚に近いので馴染みやすく刺激が少ないと言われています。美肌高価もあるようでして、検索すると化粧品のサイトが上位に出てきます。値段は比較的高価です。
ミネラルオイルの代表としてはベビーオイルがあります。ミネラルオイルは石油を精製したものです。赤ちゃんにも使えるぐらい低刺激です。。
ミネラルオイルは植物由来や動物由来のオイルに比べ肌になじみ難いです。つまりベトベトします。
肌になじまないので膜を作り、外からの刺激をガードしたり、保湿の作用があるということになります。ワセリンなどもこの部類です。
ネラルオイルは独特な硬質系のにおいがします。ミネラルオイルは安く、刺激が少ないのでマッサージオイルとして優れています。
どれが使いやすいか
この3種類の中で使いやすく、肌に易しいのは植物由来のマッサージオイルです。
植物由来の高級マッサージオイルといえばホホバオイルが有名ですよね。ホホバオイルは人の肌に近い成分であり、サラッとしており、保湿力があります。
エステでは高級なオイルとして定評があり、肌の弱い人にも使うことが出来ます。
マッサージオイルに関しては素人ですが、ホホバオイルは安全性が高く、滑りがいいです。
肌に直接使うものなので、安心出来るオイルでないと心配です。お求めやすい価格のマッサージオイルを2つ紹介します。
①ジョンソン ベビーオイル 無香料
マッサージオイルの定番です。安くて、沢山使えます。
ご存知の通り、べったりとしています。
使用後しばらくはベタベタ、ツヤツヤになります
滑りがよくマッサージしやすくなります。植物性に比べると、マッサージされる方は気持ちよさが劣る気がします。
②アロマベラ マッサージオイル アンセンテッド 200ml (顔 体用オイル)

サラッとして伸びがいい。
実際マッサージを受けてみると、ベビーオイルよりいいですね。マッサージしてくれる人の手の柔らかさなどを繊細に感じることができます。
手に着いたオイルは石けんですぐ取れます。第一印象はサンオイルに近いです。アンセンテッドとは「匂いがない」という意味です。
匂いはほとんどなく、匂いが不要な方はこのオイルで決まりでしょう。オイルを手に付けて肌に触れると、優しい刺激を感じることが出来るでしょう。
Amazonでの人気も高く、安心して購入できます。
わたくしごとですが老年による冬のカサカサ肌のために以前から利用しております。塗った直後に服を着てもベトベトが服につき難く、布団も汚れません。
アロマベラのマッサージオイルは様々なオイルのブレンドです。
サラッとしていて、保湿力があることが定評されており、Amazonでも常に上位にあります。
アロマベラのレストフルナイトは僅かに香辛料のような香りがします。程よい香りでキツくありません。しばらくすると蒸発するので香りは気にならなくなります。
家族も患者本人も香りで癒される環境を作ることができ、癒されます。
ボランティアで緩和ケア病棟でマッサージをしている方達がオイルを使うと、患者さんたちが「気持ちが落ち着く」「タッチが優しく感じる」という感想を述べており、いくつかのオイルを紹介しました。
ご家族の手で患者本人の体をさすることに勝る癒しはありませんので、オイルの紹介は参考程度に、心に留めておいてください。
繰り返しになりますが安全性が高いと言われている市販のマッサージオイルでも、人によっては刺激が強く、アレルギー反応がでて湿疹や肌荒れを起こすことがありますので、使用には十分注意を払ってください。何か異常があったら、医療機関にかかるようにしてください。
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