がん悪液質はどのような苦しみを生み、なぜ死因となるのか

悪液質による苦しみとはいかに

末期がん患者の多くは痩せています。

これはガンが大きくなると、異常な刺激伝達物質が大量に分泌され、筋肉や脂肪を消費し、影響吸収が不良になるためです。

これをがん悪液質と言います。

 

ガン悪液質とは、体重減少、進行性の筋肉量の低下、食欲不振をもたらす病気です。

悪液質(ガンによる痩せ)はガン患者全体の4〜6割に認められ、ガン死の20〜25%を占めるといわれています。

わたし的な見解では、もっと多くのガン患者が悪液質に悩み、苦しんでいると感じています。

 

大変残念ですが、現在の医学では悪液質の本質の根底の解明には至っていません。

治療方法も確定的なものはないのが現状です。

一定の治療効果があると報告されている物質にはプロゲステロン(黄体ホルモン)EPA、サリドマイド、分枝鎖アミノ酸などがありますが、科学的根拠は脆弱です。

 

ご存知の通り、筋肉量の低下は加齢とともにすすみます。30歳を超えると10年ごとに3〜5%低下してゆきます。(1)

ガンによる悪絵質は生理的な筋肉量低下よりも遥かに速いスピードで筋肉が減っていきます。(2)

この記事では、「がん悪液質、ガンによるヤセと死」の関係について詳しくお話しさせていただきます。

 




悪液質は慢性の炎症

ガンになると脂肪と筋肉が落ちて痩せるのではなく、呼吸筋、嚥下に関わる筋肉など生きるための筋肉までもが減ってゆく状態になります。

慢性的な炎症のため筋肉など必要なタンパク質が消耗しするだけでなく、食欲がなくなり、栄養の摂取が不十分となり、体重が減っていくのです。

 

悪液質の筋肉低下による症状は?

悪液質の体重減少、以外の症状を知りましょう当たり前のことなのですが、人間のあらゆる動作には筋肉が必要です。

走ったり、物を持ったりする大きな動作から、声を出したり、唾を飲み込んだり、まばたきのような些細な動作まで筋肉がないと動かすことはできません。

 

食べたり、、声を出したり深呼吸をしたり、ため息をついたり、唾を吐き出したり、唾の見込んだり、ウンチをしたり、おしっこをしたり、寝返りを打ったり、健康な時は気にも留めないような動作にも必ず筋肉は働いています。

 

最期の一ヶ月の余命を語るとき、この筋力低下はとても重要な点になります。

最期の一ヶ月間は筋力低下が顕在化し、生きてゆくために必要な動作が出来なくなるからです。

 

筋肉が落ちるとどうなるか、想像できますか?

呼吸のための筋力が落ちたらどうなるでしょう?

呼吸のための筋力が落ちて、十分空気を吸えなくなれば、命にかかわります。

呼吸のための筋力が落ちれば、ちょっとした動作でも呼吸が苦しくなるでしょう。

 

際限なく腕や脚の筋力が落ちてゆく状態を想像してみてください。

筋力が低下すると歩いたり、寝返りをうったり、立ち上がるなどの簡単な動作もできなると思いませんか?

立ち上がる動作にしても、何かにもたれたり、誰かに引っ張ってもらわないと立ち上がれなくなるでしょう。

 

腰の筋肉が落ちたらどうなるか想像してみてください。

起き上がることはできず、自分の力で座っていることもできなくなります。寝返りもうてなくなります。

寝返りが出来なくなると、寝ダコ(褥瘡:じょくそう)が出来やすくなり、痛みをともなうようになります。

 

筋肉が落ちれば、移動するにも、座るにも、起き上がるにも寝返りをうつにも他人の力を借りなくては生きてゆけません。

 

筋肉量が低下すれば自信を失う

健康であっても、今まで出来たことが出来なくなると自信を失い情けない気持ちになりますよね。

 

癌患者は筋肉量が急激に減るため、自信を失う機会が多くあります。

指の筋力が落ちた状態を想像してください。ふつうに文字が書けなくなります。

 

手に力が入らないとミミズが這ったような文字しかかけなくなるでしょう。

字が書けなくると、自信を失うと思いませんか?

 

自信を失ったときの苦痛はどのようなものか想像出来ると思います。

喉の筋力が落ちた状態を想像してみてください。

声はかすれ、大きな声が出なくなるでしょう。

声を出すのにも筋力が必要であり、悪液質の進行とともにだんだん声が弱くなってゆき、自分の気持ちを人に伝えることに苦痛を感じるようになります。

 

声が小さくなり、自分の気持ち伝えても一度で伝わらず、聞き返されることが増えれば自信を失ってゆくかもしれません。

筋力の低下が どれほどガン患者を苦しめるか想像できますよね。

ガン悪液質が進行すれば、一人の力で生きてゆくことは出来ず、誰かの力が必要になってくるのです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

悪液質に関する記事だけでなく、ガンの終末期に関わる症状については、下にある「もっと読んで心を軽くする」という関連記事欄がございますので参考にしてください。

 

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もっと読んで心を軽くする

 

参考文献
森田達也(編) 2016 続・エビデンスで解決!緩和医療ケースファイル
大津秀一(著)2015 Dr.大津の世界イチ簡単な緩和医療の本―がん患者を苦痛から救う10ステップ
淀川キリスト教病院(著)2007 緩和ケアマニュアル
国立がん研究センターがん情報サービス http://ganjoho.jp/public/dia_tre/knowledge/basic.html
日本緩和医療学会 https://www.jspm.ne.jp/guidelines/glhyd/2013/pdf/02_09.pdf
日本緩和医療学会 http://jpps.umin.jp/issue/magazine/pdf/0702_02.pdf
がんの辞典http://gan-jiten.com/about/01/post_61.html
がん治療.comhttps://www.ganchiryo.com/live/cancer_cachexia.php
京都大学・医学部付属病院・探索医療センターhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspen/23/4/23_4_607/_pdf
日本医師会 緩和ケアガイドブック http://dl.med.or.jp/dl-med/etc/cancer/cancer_care_kaitei.pdf
緩和ケアネット http://www.kanwacare.net
Tisdale MJ. Cachexia in cancer patients. Nat Rev Cancer 2002; 2:862.
Theologides A, Ehlert J, Kennedy BJ. The calorie intake of patients with advanced cancer. Minn Med 1976; 59:526.
Martin L, Senesse P, Gioulbasanis I, et al. Diagnostic criteria for the classification of cancer-associated weight loss. J Clin Oncol 2015; 33:90

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