吐き気や気持ち悪さは多くのがん患者さんたちが感じる一般的な症状です。
痛みや息苦しさと同じぐらい共通した症状です。
気持ち悪さの原因がハッキリしていれば、お医者さんに治療してもらえます。しかし、治療効果が乏しいケースも少なくありません。
気持ち悪さの原因でも述べましたが、治療効果が乏しい吐き気や気持ち悪さが出てきたということは余命が短くなっているサインでもあります。
薬物療法
脳の「吐き気の引き金」と呼ばれる部分に作用して、吐き気を減らすタイプのお薬や胃腸の動きを良くする薬などがあります。
薬剤以外の治療方法
薬剤による治療だけでなく、吐き気を催す原因を避ける工夫が重要です。食事をすると吐いてしまうような場合、食べないと体力がなくなってしまうというジレンマが生じます。
出来るだけ消化がよさそうな食べ物を、少量ずつ口にすることで吐き気を減らせる場合があります。吐き気がある時は元気な人のように一日3回の食事にこだわる必要はありません。
どれぐらい食べれるかはそれぞれです。無理して食べると吐いてしまいます。ひとくちで十分かもしれません。
ひどい吐き気の場合、食べ物を全く受け付けなくなります。食べたいという気力が失われてしまう人も少なくありません。
本人は食べなきゃ体力がなくなってしまうと分かっているのに食べれなくなります。吐き気が強く食べれない時、無理に食べさせるのは酷です。
寿命に近づくにつれて、食べられなくなってしまうのは自然の経過です。
自然の経過にあらがうと苦痛が増えてしまいます。見守ることが最も苦痛を減らす方法かもしれません。
お薬が効かないような吐き気や嘔吐に対して鼻から管を入れて、胃の内容物を持続的に出す方法があります。
嘔吐は胃が膨らみすぎたときに生じます。胃の中身を持続的に出し、胃が膨らまないようにすれば嘔吐が生じないという仕組みです。
NGチューブと言われるチューブを鼻から胃に入れておくと、胃の圧が上がるとチューブから胃液や食べ物、空気が抜けるため、吐き気を催さなくなります。
嘔吐や気持ち悪さに対する治療方法について簡単に述べさせていただきました。