がん保険って必要なの?
ガンになって治療が長引いてくると、保険に入っておけば良かったと後悔している方は多いかもしれません。
もしかしたら、家族がガンを患い、自分もガンになるかもしれないと心配してこの記事を読んでいる方もいるでしょう。
入っておくと安心だから、がん保険に入るというのは間違い
不安を掻き立て、がん保険に入ってもらおうというCMをよく見ますよね。
よくわからないアヒルが出てくるがん保険もありますよね。
正直、がん保険のCMをみても、何を選んでよいかはハッキリしません。
なんとなく保険に入っておいたほうが安心だと考えている人は目を覚ましてください。
がん保険に入ておくと、がん治療においてどのように役に立つのかをまず考えてみましょう
もしあなたがガンと診断されたとします。
いったい、どれぐらいの期間治療をするのかとか、どれぐらい仕事を休まないといけないのか、どれぐらいの治療費がかかるのかご存知ですか?
多くの人は答えられないと思います。
がんが見つかったときに末期で、半年から数ヶ月しか残された時間がないという最悪のケースの場合、経過や治療は単純です。
仕事はもうできないでしょう。化学療法、放射線療法を行いますが、がんにより体力が奪われてしまうと、化学療法ができなくなります。そうなった後は、緩和ケア病棟やホスピスで最期を迎えるというパターンが一般的です。
しかし、多くのがん患者の場合、見つかったときはまだ治療可能な段階であり、残された時間も何年もあるでしょう。
そうなると、治療しながら社会生活を営んでいく必要がありますよね。治療中は会社に行くことは難しくなります。
会社に行けないと収入が減りますが、それを補填してくれるのががん保険です。
がん保険とは、治療を行いながら、社会生活を営む手助けをしてくれる保険なのです。
がん保険に入らないと十分な治療ができないのか?
CMを見ると、がん保険に入っておいた方が良さそうな感じはするのですが、がん保険に入らないとガンの治療が出来ないのでしょうか?
そんなことはありません。
日本の制度に、高額療養費制度があり、医療費がある一定以上になった場合はそれ以上は免除されるのです。
つまり高額な手術や抗がん剤をつかっても一定以上は払う必要はありません。
平均的な年収の人(370〜770万円)なら一ヶ月の限度額は8万円です。所得が多い人はもう少し高くなります。平成30年8月からは70歳以上の自己負担限度額が上がりました。
自己負担額が1ヶ月8万円ということは、年間にして約100万円ぐらい治療費としてかかるわけです。これは最低金額ですよ。
大変便利な制度ですが、公的サービスは自分で申請しないと利用できませんので、自動的に免除される訳ではありませんのでご注意ください。
ちなみに個室代(差額ベッド代)や食事代は医療に含まれませんので、入院したら100万円では済みそうにありません。
病気や怪我で急に働けなくなった方のために、傷病手当金制度があります。働けなくなっても一年半の間は、傷病手当金制度で一日収入の2/3を保障してくれるのです。
ガンになって仕事に行けなくなっても収入が減りますが、半分ぐらいは保障されます。
仕事に行くと傷病手当金はもらえません。
この2つの手厚い公的制度があればがん保険なんて入る必要はないような気がしてきませんか?
それはちょっと早とちりかもしれません
ガンになってお金的に1番困るのは治療期間が長くなるというパターンです。
膵臓癌や肺がんのように生存率が低いガンは発症から死亡までの期間が短いため、家計にに支障を来すことが少ないのです。
死んでしまったら生命保険が入りますので、残された家族の経済面は保障されます。
ガンの種類によっては長期の抗癌剤治療や放射線治療により症状を抑えてゆくというガンもあります。傷病手当金制度は1年半しかもらえません。
治療が長引けば、高額療養費制度の自己負担額の限度額も下げられますが、最低5万8千円ぐらいの自己負担額はかかります。どれぐらいお金があっても足りないぐらいです。
がん保険に入る時は、長期の療養のことを想定して加入しておく必要があるのです。
ガン政策情報センターのがん患者意識調査によると、治療費に平均年間115万円ぐらいかかるというデーターがあります。
また、収入は半分以下になることが多いというデータがあります。
これからかかる費用をシュミレーションしておく
何歳からガンになるのかによってがん保険のプランニングは大きく変わってきます。
子供がいる場合、学費にどれぐらいの費用が必要かというのは、概ね見当がつくと思います。
生活にどれぐらいのお金がかかるのかということも概ね見当がつくと思います。
かなりのお金がかかることが想定されますよね。
せめて治療費だけでもがん保険で助けてもらえれば、家計が崩壊しなくて済みます。
シュミレーションって難しい
人によって年収、生活環境や年齢などが異なるため、シュミレーションは難しい。どれだけお金が必要なのかなど必要なお金の目安は素人では見積もりにくいですよね。
生活スタイルや収入は人それぞれですので,どのようながん保険が自分の生活に合っているかは保険のプロのファイナンシャルプランナーに相談すれば必要な保険を提案してくれます。
ネット上のランキングで選ぶのはお勧めしません。
また必ずしもがん保険があなたにとって最適の保険とは限りません。わたしも、がん保険の見積もりのつもりでFPに相談したところ、死亡保障付きの医療保険が適していると保険を設計してもらいました。いわゆるがん保険より割高ですが、わたしにとっては無駄少ない保険になっていました。
そもそもがん保険はどんなときにお金を受け取れるのでしょうか?
保険の種類によって違いがありますが、共通点は3つです。
- ガンと診断されたら受け取れる金額
- ガン治療で入院したとき受け取れる金額
- ガンの手術を受けると、受け取れる金額
そのほかにも通院するたびに給付される通院給付金や、陽子線治療などの先端医療を行うと受け取れるガン先端医療給付金などがあります。
保険による違いは共通する3つの保障のバランスです。例えば、ガンと診断されたときにたくさんの給付金が必要になる人向けの保険と長期の治療に対応できるような保険とがあり、生活スタイルによって選ぶ保険が変わってくるのです。
癌治療は長引くほど家計を圧迫するようになります。ガンになってから長期に保障してくれる保険を選ぶべきです。
がん保険はまだ養育費などにお金がかかる若い人ほど入っておくべき保険といえるでしょう。
家族にがん患者がいる場合、がん保険に入るべきか
保険に入ろうと思っている方の中にはご家族をガンで亡くされたり、今闘病しているという方もいると思います。
ガンは完全に遺伝すると言い切れませんが、ある程度の遺伝要素がありますガンの種類によっては遺伝的要素が確定しているものも有ります。
しかし、ガンの多くは年齢とともに遺伝子が傷つき、ガンが発生すると考えられています。
遺伝する要素が多い癌として、大腸癌、乳癌、卵巣癌などが有ります。
癌は基本的に加齢とともに遺伝子の異常で生じる病気です。脆弱な遺伝子を持っている方は癌が発症しやすいのでしょう。
癌になった家族がいる方は、がん保険がどれぐらいあなたに役に立つか説明を聞いておいた方がいいでしょう。
がん保険に入るかどうかより、まず、がん保険がどれぐらい役に立つ保険なのかを見積もってもらえば、あなたにとって必要な保険なのかどうかを見極めれます。
保険はがん保険だけでは有りません。あなたの人生プランにあう保険を見積もってもらうことが重要です。
保険会社に所属しないファイナンシャルプランナーに相談してください。相談の結果、今のままにしておいた方がいいケースもあるかもしれません。
保険なんて難しくてと思っていた方でも、是非この機会に保険について考えてみてはいかがでしょう。