ガンによる痛みを我慢しても、メリットはないという話




本来、痛みとは体に何らかの傷害が生じたときや損傷が起きそうなときに生じる防御反応です。痛みの部分に何らかの傷害が生じているサインです。

「痛み」は生きてゆくうえで、とても大切な体の感覚といえます。

腰が痛ければ腰に何らかの痛みの原因があると予測するし、お腹が痛ければお腹に何かしらの問題があると考えるでしょう。お腹が痛いのに頭に原因があるとは普通考えません。

 

痛みがなければどうなるか考えてみてください。

背中を打ち付けてたとき、たまたま背中に大きな傷ができて、出血してしまったと想定します。

痛みがなければ背中からの出血を気にせず、血が流れっぱなしになり、出血多量になって死んでしまうかもしれません。

怪我をしたところに、痛みを発することで、怪我をした部分に意識が行くため、出血に気づくわけです。

 

下痢の時お腹が痛くならなかったら、トイレに行く機会を逃し、ウンチをもらし、大変なことになるに違いありません。

風邪を引いて頭が痛くなるときは何もしたくなくなります。

頭痛は体が安静にしなさいという体からのサインと受け取ることもできます。

 

人間には「痛み」という、すばらしい防御機能が備わっているのです。

痛みが体にとって大切だとは分かっていても、少しぐらい熱っぽくて、頭が痛い程度だと、市販の鎮痛剤を飲み、無理をしてしまったことがあなたにもあるでしょう。

うまくいけば翌日にはスッキリ爽快するのですが、病気が悪化した場合、翌日にのどが痛くなって、また鎮痛剤をのんで無理をしてしまう。

 

ついには風邪をこじらせ、肺炎になったり、髄膜炎になったりする方もいます。

初期症状の頭痛のときに体のサインに従い、仕事をセーブして早く家に帰ってゆっくり休むべきだったと後悔したことがあなたも経験がないでしょうか?

基本的に痛みは大切な体の感覚であり、体の不調の警告なのです。

原因がわからぬまま痛みをとったりすると病気自体が悪化することがあるってことです。

ではガンの痛みはどうなのでしょうか?




ガンの痛みに警告的な意味はありません

通常の痛みであれば体の不調や傷害が改善すれば、痛みは自然と消失します。それに対し、ガンの痛みはガンの進行による組織の損傷により生じます。

ガンの痛みはガンが小さくならない限りよくなることはほとんどありません。ガンは自然に治ることはなく、抗ガン剤や放射線治療を行わない限り小さくなることはないでしょう。

ガンが大きくなるにつれ周囲の組織を食いつぶしながら大きくなります。ガンが進行し、ガンが神経に食い込んだり、圧迫したりすると痛みが生じるようになります。

 

転移したガンや大きくなった癌が小さくなることはないので、ガンの痛みを我慢しても苦痛が増えるだけなのです。

ガンの痛みも体を傷つけているという警告の一面はあります。しかし、ガンは周囲の正常な部分を侵しながら、大きくなっていき、正常な体の状態に戻ることはありません。

ガンの痛みは一度生じると小さくならない限り、永久に続き、だんだん強くなってゆくのです。その痛みを我慢する意味などありません。

放射線や薬を使って小さくすると痛みがなくなる場合があります。放射線や化学療法(薬による治療)の効果がなければ痛みは強くなってゆくのが一般的です。

 

私たち日本人には痛みを我慢する美徳があり、痛い時でも痛い顔をしない方が多くいます。単なる擦り傷や腹痛であれば、少しの間我慢すれば痛みが消えるので、やせ我慢も美徳になります。しかし、がんの痛みは我慢しても良くなることはなく、我慢するだけ無駄です。

良くもならない痛みを我慢して、普段の生活が送れなくなってしまうなんて勿体無くないですか?

ガンによる痛みは我慢しても良いことはありません。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

ガンの痛みの関連記事欄がございますので参考にしてください。

 

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死生観、終末期、緩和ケアの研究してます。死の過程の知識を深め、家族の力をアップし、医師とコミュニケーションを取り、医療サイドと家族サイドの見解を一致させることが終末期を穏やかに過ごす要素だと信じております。