終末期に懐かしい音楽を
終末期の最期の一ヶ月ぐらいの間は、悪液質により体が自由に動かなくなります。
筋力低下により体が動かしにくこともあるのですが、動かしたいという気持ちが失われてしまいます。
自分からテレビを見たり、新聞を読んだりする気力も減り、病室でぼんやり過ごしている方は少なくありません。
自分から体を動かすことが出来なくなっているので散歩などの気分転換は難しくなってきます。
体が動かなくなっても、ちょっとした楽しみがあれば、生活に充実感が表れますよね。
わたしが提案しているのは家族によるマッサージと懐かしい音楽を一緒に聴く音楽療法です。
マッサージについては以前記事にしましたので参考にしてください。末期ガンになると足がだるく感じます。フットマッサージはとても喜ばれます。
以前よく聞いていた音楽を聴かせて上げると、懐かしい気持ちがわき上がってきます。家にあるテープやCDを聞かせて上げてください。
もしCDラジカセがなくても今ならスマホがありますので音楽検索は簡単です。you tubeなどを使えばたくさんの音楽を検索できます。
音楽療法のポイントは、家族と一緒に音楽を聴くというスタイルをとることです。
音楽の掛けっぱなしより、家族で懐かしい音楽を聴き、その音楽が本人とどのような関わりがあったのかを聞いて上げてください。
音楽は時間を越え、懐かしい思い出に浸ることができます。音楽にはその人の人生の歴史とリンクします。
辛かった時、楽しかった時、充実していた時など様々な人生のシーンを思い出すことが出来ます。涙することもあるかもしれません。心理的な負担が大きそうなら、すぐに中止してください。
1番好きな音楽や好きだった歌手など、本人の歴史を本人と振り返るだけで、充実した最期の時を過ごせると、わたしは感じます。
本人の歴史に触れる、充実した時間を演出することをわざとらしいと感じる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。音楽は楽しく、素晴らしい時間を提供してくれます。
緩和ケア病棟では音楽療法士が患者に合わせた曲を楽器で弾くというサービス?ボランティアが行われているところがあるようです。
参考:音楽療法 日本緩和医学会 https://www.jspm.ne.jp/guidelines/cam/2016/pdf/03_08.pdf
音楽療法士のような専門的な知識がなくても、音楽を通じて心を通わせることは誰でも出来るし、とても良い方法だと思っています。
⇩これはスマホの下に置くだけで簡単に聴きやすい音になるスタンドです