苦痛緩和のために鎮静を選んでいいのか?




最期の最期になると、食事は出来なくなり、身の置き所がないような体のだるさを訴える場合があります。

いろいろな治療法でも症状を抑えられない痛みや息苦しさで、堪えがたい思いをする場合があります。

苦痛を和らげるために他に手がない場合は、苦痛を和らげることを目的に、適切な薬剤を適量使って眠らせる医療行為を鎮静と言います。

鎮静は安楽死とは違います。鎮静は薬剤の投与を止めれば、意識が回復しますが、安楽死は戻れません。苦痛が減ったのかどうかすら確認できません。

 

終末期の最期の最期に苦痛緩和のために鎮静を行うことがあります。鎮静は苦痛緩和に非常に有効で、8割以上の人が鎮静によって苦痛が減ったというデータがあります。

つまり、終末期の最期の最期の苦痛は眠ってしまえば、苦痛から解放され、楽になるのです。意識はなくなってしまいますが…

家族としては苦痛から解放してあげたいし、鎮静すると意識がなくなる寂しさから、どちらを選択しても、いたたまれない気持ちになるでしょう。

鎮静のタイミング

堪え難い苦痛に対して治療法がない場合があり、鎮静を施されると苦痛を減らすことができます。

このような状態になり、患者が苦痛で悶絶していると、医療サイドから鎮静を提案されるかもしれません。

苦痛を見ていられなくなり、家族から提案する場合もあるようです。そのような場合は、医師と看護師らが相談し、鎮静を行ってよい状態かどうかを判断します。

体のだるさなどは、日内変動があるため見守ることもあります。治療抵抗性の息苦しさや痛みは時間が解決しないため鎮静が選択されることが多いと思います。

 

 

鎮静が最期の別れではありません

最終段階の鎮静に関しては、ガイドラインが作られています。

医者や看護師が苦痛を緩和する方法が鎮静しかないことを理解しており、本人の意思があれば鎮静のメリットとデメリットを理解し、納得した上で鎮静に同意します。家族にも十分説明があると思います。

鎮静薬は量が調節でき、止めれば意識が戻ってくるような方法で行います。ただし、容態がよくないので鎮静から目が覚めないこともあり得ることは承知しておく必要があります。

通常、1日1度〜2度は目を覚ますような間欠的鎮静を行います。鎮静を掛けたら,最期の別れではありません。

また、声をかけると目を覚ます程度の浅い鎮静にすることもあります。

 

 

どんなに辛くても、鎮静を受けずに自然の経過のまま過ごしたいというのであればそれも1つの選択です。

また、鎮静を受けて、苦痛を減らしてほしいという選択も1つです。

鎮静を行うことで寿命が著しく短くなることはありません。

 

どちらの選択をしても間違いではありません。あなたが支える側であるのなら、あなたたちが選んだ選択に自信を持ってください。

 

鎮静は苦痛解除の安堵と受け答えがなくなる寂しさの複雑な気持ちが混ざり合う何とも言えない気持ちになります。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

だるい

多くの末期がん患者が訴える「堪え難いだるさ」について

2018年1月1日

 

参考文献:苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン – 日本緩和医療学会