血圧低下は時間単位しか残されていない兆候
この記事では血圧低下の症状について説明させていただきます。
死の兆候は、頭がボンヤリしてくる、動けなくなるなど週単位の兆候から、オシッコが出なくなるという日単位の兆候など様々な兆候があります。
血圧低下は最期の最後まで生じないものです。つまり血圧低下が生じたら残された時間は時間単位です。血圧が60台まで下がったら最期のときが近いです。ここで言う血圧低下は脈が触れないほどの血圧の低下です。
ガンが病気が進行していても、わたしたちの体は他の臓器を犠牲にしても、心臓への血流を保とうとします。大切な臓器に血液を送ろうとするのは、我々のからだに備わった機能です。当然最も重要な臓器は心臓です。次は脳です。心臓と脳の2つが破綻するとき死が訪れます。
つまり血圧が下がってきたというのは、心臓への血液がいよいよ不十分になり心臓のポンプ機能が戻れないところまで低下しているサインなのです。
血圧は死ぬ最後の日まで正常値に保たれていることが多い
心臓は最後まで機能が保たれるといっても、最終段階になれば、ポンプ機能は破綻します。ポンプ機能が低下し、腎臓に送る血液の量が減ると、オシッコを作る量が減ります。臨終の数日前からおしっこの量が激減します。
肝臓へ送る血液が減ってゆくと肝不全となり、体の不要物を排泄分解できなくなります。体が震えたり、傾眠傾向があらわれてきます。
脳への血液量がへると意識態状態が悪くなるため意味不明なことを言い出したり、眠って過ごす時間が増えます。
せん妄や傾眠、おしっこの量がほどんどでない、チアノーゼなどの症状が見られていたとしても、血圧は最後まで正常に保たれます。
つまり手首や首の付根の脈が触れるのであれば、数時間以内に臨終となる可能性は低いといえます。
どうしても看取りたいという方で、席を外さなくてはならないのであれば、脈が触れるのを確認してから席を外すと良いでしょう。
血圧がもう戻れないところまで下がるのは残された時間が半日になってからです。
半日前までは意識状態が悪いけれども、収縮期血圧は100前後保たれている方がほとんどです。
死ぬ半日前まで血圧の低下を起こすことはありません。末期がん患者の方の中には血圧が低い方もいますが、収縮期血圧が70mmHgを下回ることは滅多にありません。
心臓のポンプ機能も悪液質の進行に合わせて、低下していると思うのですが、心臓のポンプ機能が低下したことが血圧低下として症状が見られるのは最期の数時間から半日ぐらいの間です。
ガンで死ぬときは急に心臓が止まるのではありません。ゆっくり、ゆっくり血圧が下がり、臨終の時を迎えます。
ドラマや映画のようにパタリと死ぬことはありません。
最後は数時間かけ穏やかにお亡くなりになる方が多数なのです。
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