癌で死ぬ原因〜ガンは急な出血・下血が起きる事がある




ガン全体の10%は予想より早くお別れがくると言われています。いわゆる急変です。

ガンで死ぬ原因のひとつに出血があります。わずかな出血が続き、極度の貧血になりお亡くなりになる場合もありますが、急変するような場合は大量の出血を起こしている場合があります。

出血による急変は胃ガンや肝臓ガン、喉頭癌などで多いようです。(1)

呼吸機能低下や少量の出血の場合、ゆっくりと臨終に向かってゆきますが、大量出血は突然生じ、短時間で臨終を迎えることになります。

 

急激な出血

ガンがどんどん大きくなり、動脈や静脈に浸潤(食い込む)と出血のリスクが高まっていきます。

動脈の壁は丈夫なゴムのような組織ですが、ガンの浸潤により、動脈の壁がもろく硬いガン組織に変わってしまう場合、出血しやすくなります。

出血したら、止めればいいじゃないかと思うかもしれませんが、周囲が癌組織に囲まれている場合、止血は簡単ではありません。

癌により周囲の組織がもろく固くなっているため出血は止まりにくく、小さな動脈からの出血でも大量出血につながってしまうのです。

 

お腹の中のガンで出血したとしても手術でお腹を開けて止血することは現実的に難しく、予防することも難しいので出血しないことを願うほかありません。

首回りのガン(喉頭がん、咽頭癌など)も首にある大切な血管を破ってしまうことがあり、急な出血を生じやすいといわれています。(2)

脳転移が出血することもあり、その時は片方の手足が動かなくなり、急激に昏睡になります。




大出血(下血)したときの症状は?

ガン末期患者が腸管内に大出血(下血、吐血)した時の状態について話ししたいと思います。出血が腸管内に収まっているのか、腹腔内で出血しているかで症状が異なります。

意外なことかもしれませんが、胃腸の内側で大きな出血した初期段階のときは受け答えがしっかり出来る場合が多いです。

バケツいっぱいの血便や吐血をした後でも、痛みますかと 質問しても「全然大丈夫です。痛みまったくありませんし、苦しくもないです。」と答える方もいます。

大量出血しても重要な臓器へ血液を集める機能が備わっており、大量出血したとしても頭へ血液を運ぶので意識はハッキリしている人もいます。

吐血や下血(血便)をした時にはすでに大量の血液が血管内から失われており、冷や汗や受け答えが鈍くなっている人もいます。

出血が止まらないと、だんだん意識が薄れ、昏睡となり、眠るように死を迎えることになるでしょう。

 

臨終直前の大量血便で共通しているのは、どの患者も血便が出たばかりのときは痛くないし苦しさも強くありません。

だんだん意識が薄れてゆき、数時間から半日のうちに眠るように死んでゆきます。

 

吐血(胃からの出血)の場合もおおむね同じような経過です。

大量の吐血をしたときも痛みを訴えず、意外にも、息苦しさもないことが多いようです。見た目は派手ですが、痛いと言う人はそれほどいません。

 

腹腔内出血

しかし、同じ出血でも腸管内ではなく、腸管に穴が空き、腹腔内に出血すると血液が刺激となり、腹部に激痛を生じます腹腔内への出血は意識がうすれるまで悶絶し続ける方もいるようです。(3)

ガンの終末期では、急激な腹部の痛みが出血なのか腸に穴が開いたためなのか調べる前に命が尽きるケースがほとんどかもしれません。

肝臓ガンが破裂した場合では、痛みが生じるとともに血圧も下がり、意識レベルも低下し、あっという間に心停止に至るケースもあります。

非常に不幸な最後の迎え方ですが、こういうケースもありえるということです。

 

脳内出血

脳の転移巣が出血すると、脳内出血となります。脳内出血を生じると、半身麻痺になったり、意識状態が急激に悪化します。

がん患者の場合、血を止める力が弱くなっている場合も多く、大きな脳出血になりやすく致命的になりすいようです。

 

すべての固形ガンは大量出血で容態が急変する可能性があります。私が持っている緩和ケアマニュアルには7人に1人は、急変してお亡くなりになると記載してあります。

急変は決して稀なことではないのです。常に急変する可能性があることを心の片隅に置いておく必要があります。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

 

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最後の迎え方に関する記事

参考文献
  1. 緩和ケアマニュアル
  2. 中川隆之; 高島忠義; 富山健太. 頭頸部末期癌に対する緩和医療. 耳鼻咽喉科臨床, 2001, 94.10: 935-940.
  3. 村上真基, et al. “腹部急変で迎えた末期がん患者の看取りに関する後ろ向き研究.” Palliative Care Research 8.2 (2013): 211-216.
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死生観、終末期、緩和ケアの研究してます。死の過程の知識を深め、家族の力をアップし、医師とコミュニケーションを取り、医療サイドと家族サイドの見解を一致させることが終末期を穏やかに過ごす要素だと信じております。