ガンの余命一ヶ月は、どのような症状があらわれるのか




最期を迎える前に余命一ヶ月の症状を知っておいてほしい

ガンでどのように死んでゆくのか誰もが不安を抱えています。

ガン患者の家族であるならどのように臨終を迎えるかを理解し、心の準備をしておきたいところです。

ガンは死病であり、かかれば死ぬ病気です。治療可能な早期であればこの限りではありませんが、ある程度進行している場合は現在でも死病です。

半世紀前まではガンにかかれば、治療方法は有りませんでした。今は早期発見されて、適切な治療をすれば完全に治ることもあります。いまでも、他の臓器に転移しているような、進行したガンの場合、ガンで死ぬことになります。

ガン患者であっても心筋梗塞や脳卒中などガン以外の原因で死を迎える可能性もありますが、進行したガンであれば、ガンが原因で死を迎えます。

多くの方がガンは死ぬ病気だと恐れているのですが、どのように死んでゆくかは知らないのではないでしょうか。どのように人生の終焉を迎えるか知らないと、必要以上に不安が強くなります。

心理学辞典によると、不安とは自己価値を脅かすような破局や危険の漠然とした予感とあります。死への過程を理解すれば、漠然とした予感を少し解消できると思います。

この記事は、一ヶ月間どのような症状が現れながら死んでゆくのか、手短に書かいてあります。

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ガンの最後の一ヶ月の症状

がんは恐ろしい病気ですが、何が起きているかご存知ない方が多くいます。

ガンが大きくなるとか、痛くなるとか、転移するという性質は有名ですが、もっと共通した症状について理解を深めて頂きたい。

がん終末期の共通した症状は異常な体重減少(筋肉の低下)意識障害です。

どのようなガンを患っていても、進行とともに痩せが進んでいきます。

異常な体重減少(悪液質)

見た目が痩せる

ガンになる前はがっちりした人やポッチャリした人でも、病気が進むにつれて、筋肉や脂肪が減っていきます。

多くの末期がんの方は、顔の肉が落ち、ほほの骨が浮かび上がり、目はくぼみ、げっそりとした顔つきになっています。一度はテレビや雑誌で見たことがあると思います。

高名な方が末期癌になって雑誌やテレビに現れると、驚くほど痩せていることに衝撃を受けたことがあるのではないでしょうか?

腕はやせ細り、足は浮腫でむくんでいるという方もいると思います。これもやせが原因です。

筋力低下

変わってくるのは見た目だけではありません。異常な体重減少は筋肉の減少を伴うので筋力がおち、生活のパフォーマンスが落ちます。

手足の筋力が落ちてくるため、動きがゆっくりになっていきます。

筋力は落ち、動作はゆっくりになりますが、最後の一ヶ月に入るまでトイレに行ったり、風呂に入ったり、食事をしたり,服を着たりする日常の動作は問題なくできます。

日常動作がゆっくりになり、ボタンを着けるなどの細い作業が難しくなるため、患者本人から「体力がなくなってきた」という発言が多くなります。腕や足すら重く感じるようになるでしょう。

筋力低下に合わせ、行動範囲も狭くなっていきます。

長い距離を歩くなどの動作は最期の一ヶ月になる前から、出来なくなります。

一見すると本人がやりたがらないだけのような感じを受けます。今まで日課であった散歩をしなくなったりまします。筋力低下も原因の一因ですが、余命一ヶ月ぐらいになるとヤル気、興味、好奇心が失われます。自身が無くなったと発言する人もいます。

筋力低下は終末期ほど急速であり、余命数週間では、急に自分の足の力で移動が出来なくなり、トイレに行くことが苦痛でになり、ベッドの上でしか生活できなくなります。自分の力でベッドの横にあるポータブルのトイレにすら行くことができなくなってしまうのです。

余命2週間を切る頃には、自分の力で寝返りが打てなくなります。寝ていても体を動かすことが難しくなるため、褥瘡(床ずれ)ができやすくなります。

 

衰えるのは手足の筋肉だけではありません

食道、横隔膜など飲み込んだり呼吸をするための筋肉も一様に衰えます。病気がすすむと、食べ物を飲み込むことも辛くなり、咳も弱々しくなります。筋力低下が命に関わるのは、生きてゆくための筋力までが低下するためです。

 

飲み込む力が落ちるため、固いものを食べづらくなり、お粥などのやわらかい流動食しかのどを通らなくなります。

食べ物を飲み込む時は、気管に食べ物が入らないように、声門がピッチリと締まるのですが、締まるタイミングが遅く、弱くなるため、水や食べ物を食べるとむせるようになります。

これが誤嚥です。

さらに筋力が落ちるとむせれなくなり、気管に食べ物が残り、肺炎を引き起こしてしまいます。これが誤嚥性肺炎です。ガン終末期では、誤嚥性肺炎がきっかけで命を落とす人はたくさんいます。

 

残念ながら、命に関わる筋肉の減少は止められません。現状では出来なくなってきたことを受け入れ、支えることが最良の解決策です。

筋力が落ちて、飲み込むことが辛くなっている方に、栄養をつけようと、無理に食べさせたり、飲ませたりすると苦痛が増えるのは想像できると思います。

 

衰えるのは筋肉だけではなく体じゅうのタンパク質が減少する

筋力低下に合わせ、浮腫や胸水、腹水が増える方もいます。アルブミンという血液内のタンパク質が減り、血管内の水が血管の外に漏れるために足のむくみ、腹水、胸水が溜まってしまうのです。

筋力低下に合わせ、必ず食欲も落ちてきます。「食べないと体力が落ちるから、食べないといけない」と思っても、食べれなくなります。

集中力の低下

余命一ヶ月ごろになるとテレビや新聞など外界に興味がなくなります。テレビも見ずにベッドで横たわっているのであれば集中力、注意力が低下しているサインです。

集中力の低下は注意深く観察しないと発見が難しく、ちょっと元気がない程度に見えてしまうかもしれません。ちょっとしたサインを見逃さないようにしたいですね。

意識障害(頭の機能が低下する)

最期の一ヶ月を切る頃になると、集中力がなくなり、外への興味がなくなります。テレビを見なくなったり、新聞を読まなくなります。

毎日欠かさず新聞を読んでいた父親が、急に新聞を読まなくなったり、本を読まなくなってきたのは、がんの進行にともなう注意力の低下です。読んでいない新聞が机の上に置きっ放しになっていたら、頭の機能が低下してきているサインかもしれません。

さらに意識障害が進み、食欲が下がり、食べれなくなる頃には、つじつまの合わないことや、わけのわからない単語を発するようになります。話がチグハクしたり、つじつまの合わないことを言うようになると残された時間は数週間以内でしょう。

見えないものが見える幻覚が生じるようになります。頭の機能、意識レベルが下がった兆候です。ここまで意識状態が悪くなると、残された時間は週単位から日単位になっています。

 

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がんは進行が早い老衰

だれでも癌になるのは怖いし、癌になっている人も恐ろしいと感じています。

ガンの共通症状を理解すると、老衰に似ていると思いませんか?

多くの人の理想的な最期の迎え方は老衰ではないでしょうか。長生きし、自然の状態で天寿を全うする。

出来るだけ周囲に迷惑をかけずに天寿を全うしたいと考えているのではないでしょうか。

どのような臨終であっても人生の最後に誰の力も借りずに、人生の終焉を迎えることはできません。全ての赤子が親の力を借りないと大きくなれないのと同様、全ての親の最後は子供または他人に世話をしてもらう必要があります。

ガンは老衰のように死んでゆくのです。老衰と違う点は、衰える速度が速く、臨終に近づいても意識がしっかりしているという点です。

最後の一ヶ月まで頭がピンピンしています。最後の数週間はボンヤリすることもありますが、お話したり、自分の意見を言ったりすることは出来ます。

最期の一ヶ月に入ると衰え方のスピードがアップするので、急激にいろいろなことが出来なくなり、様々な症状が現れます。頭がしっかりしている分、辛さが増えます。

多くの場合、普段の生活で行っている動作(食事、排泄、移動、入浴など)が出来なくなるのは最期の一ヶ月ぐらいです。

若い人の場合は体力があるので、自分のことが出来なくなってから臨終まで2ヶ月以上の場合もあります。

 

まとめ
癌は進行とともに、弱り衰えるというパターンがあります。故に、余命の予測が可能です。

この記事を参考にしていただき、体が弱る前に準備をしておけば、本人も家族も無理の少ない最期の一ヶ月間過ごしてください。

参考文献:聖隷三方原病院 症状緩和ガイド

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。最期の迎え方に関する記事も参考にしてください。




10 件のコメント

  • こういう記事を書いてくれて有難うございます。

    何度も何度も読みました。

    近々見送る人がいます。

  • 助かりました。母がおそらく、3月もたないと言われています。乳癌の肝転移です。私たち家族も心の整理をつけながら、看取りたいと思います。

  • 母が明日告知を受けます。
    余命6ヶ月。
    でももっと早いかも知れません。
    心臓です。何があるか。

  • 母は去年の10月末に膵臓癌のステージ4bと診断されました。抗がん剤の使用はお断りし、自宅で療養していましたが、この度入院することになり、数日間で急激に弱り始めました。今の母の状態はまさに余命1ヶ月の状態です。心の準備をします。

  • かけがえのない家族を見送るのは辛いです。ただもっと早くから知っておきたかった事も後になって感じます。私の妻は亡くなる1週間前まで自宅で食事も取り会話もゆっくりでしたが出来ていました。42歳という年齢もありまだもう少し頑張れると思ってましたが、急な息苦しさがあり救急搬送、その後立つ事や食事を取る事なく1週間で旅立ちました。
    あまりの出来事で気持ちの整理がつきませんがもっと準備出来ることあったなと後悔してます。この様な情報がもっと早くから、多くのがん患者やその家族に伝わるといいなと思いました。

  • このページを読むのに勇気がいりました。乳がんを1年前、今肝臓の胆管の管と尿管のを入れてます。浮腫が進んできて、息も肩でしてます。お腹周りも丸太の様で苦しいですが、痛み止め飲みながら過ごしています。みんな一度は通る道なんだよねって感じました。ありがとうございます。

  • 身寄り頼りがいない。たまたま救急車の要請の電話がなり要請してやりました。養子縁組で連絡し自宅にいないことがわかり
    本人に通帳が引き落とせないこと、年金が88歳で一度も機内話したら通帳化してください持っていかれる
    養子縁組は解雇され、弁護士に相談したら脳の病院にて認知症の検査受けてください病院3階も入りもう嫌だと諦めました
    がんセンタに行き余命6か月手術88歳やると体力がなく出来ないと、この人を私10か月見ましたが困ってしまいました
    この先毎日食事は持っていき体調を見ていますが、ふあんでなりません、

    • コメントありがとうございます。残されている時間が限られ、とても不安だと思います。調子の良い時と悪い時上がると思います。調子の良い時だけ、難しいことを考えるようにして、調子の悪いときは体を休めてください。

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