死前喘鳴をご存知でしょうか?
死が差し迫ってくると息をするたびにのどの奥でコロコロと音がするようになります。
のどの奥から発せられるコロコロとかゴロゴロいう音は死前喘鳴と呼ばれています。
死前喘鳴を英語にするとDeath Rattle.直訳すると”死のガチャガチャ音”です。
その名が示す通り、この音がするようになると48時間のうちにお別れが来ることが多いといわれています。
死前喘鳴は意識がボンヤリしてきた時期に寝ている時に多く聞かれますが、しっかり目が覚めているころからゴロゴロという音がする場合もあります。
不思議なことにゴロゴロ音がするから苦しいというものではないようです。音は気になるけど、苦しくはないそうです。
今までに家族の臨終に立ち会ってきた方であれば聞いたことがある呼吸の音かもしれませんが、初めてこの音を聞くと、音が大きく、苦しそうな音であり困惑すると思います。
呼吸の音が大きければ大きいほど苦しそうだと感じるし、聞いたことがない音であればなおさら苦しそうに感じますよね。
死前喘鳴は苦しくない。周りの人は様子を看るべし
ぜひ知っておいてほしいことは、死前喘鳴が聞かれるようになったら、穏やかに最後の時を過ごすべきです。
苦しそうな音を出しているので、痰を吸引してほしいかもしれませんが、多くの場合、気管内を吸引しても音は小さくなりません。
吸引しても痰がない場合がほとんどなのです。
なにより本人はそれほど苦しさを感じていないはずです。
本人が苦しい表情をしていないのであれば、痰を無理に吸引する必要はありません。
ちょっと想像してみて欲しい。気管の奥にチューブを入れたらどんなに辛いか。気管の奥にチューブを入れて痰を吸えるなら、吸ったほうがいいかもしれないけど、何も吸えないならそっとしてあげてほしい。
コロコロ音がするからといって、痰を吸引すると返って苦痛が増す場合が多いのです。
死前喘鳴の原因
また体中がむくむくになり気道の粘膜も浮腫み、気道に分泌される液を排泄できなくなります。
この気道の浮腫がコロコロ音の原因の1つです。他にも原因があるかもしれませんがよくわかっていません。
コロコロ音は生命を維持する力を失いつつあるという兆候であり、お別れが非常に近い時期に来ているというサインです。
先にも述べました通り、コロコロした音がするようになるころには眠って過ごすことが多くなっていることでしょう。
死前喘鳴が聞かれるときは、呼びかけないと目を開けないような状態、または体を揺すらないと目を開けないような状態がほとんどです。
呼吸が弱くなり、息を吐く力が弱くなると、二酸化炭素が体にたまります。
たまりすぎた二酸化炭素は麻酔効果があるので、さらに苦痛を感じなくなります。
死が近づき、呼吸機能が低下すると、二酸化炭素が体に貯まり、死ぬ前に苦しくならないよう、意識を失うように体ができているのです。
呼吸が弱くなり、息を吸う力が弱くなると、酸素の取り込みが悪くなります。酸素が足らなければ、脳の機能は低下してゆき、最後には心臓が停止しします。
最期の時を苦しい、苦しいといって迎えることは滅多にないことです。
臨終が近くなってきたときに現れる、死前喘鳴について説明させていただきました。
最後の数日間で現れる症状についての記事もあります。参考にしてください。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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