死に目に合う必要はあるのか?

死に目に会う必要はあるのか




死に目に合わなくてはならないと悩んでいる方は多いと思います。日本人の感覚で、1人で旅立たせるのは可哀想だと考えていたり、死に目に会えないのは親不孝だと思っているからではないでしょうか。この記事では死に目について、医学的に考えてみたいと思います。

死に目とは

死に目とは死に際。出典:大辞林

死ぬ直前のことを死に目というようですが、どれぐらいの期間を指すかはよく分かりません。生と死の境目を指す言葉なのか、一日前ぐらいからの意識がなくなってからのことを指すのか、血圧が下がりだしてからのことを指すのか、調べた限りでは明確な時間的な定義はないようです。

医学的な解釈をすると、血圧が低下し意識がなくなってきた頃から、息を引き取り、医者の死亡診断までの一連のイベントにその場に居合わせることを死に目に会うと言うようです。

スポンサーリンク


 

死に目に会うのための条件を満たすのは厳しい

死に目に必ず会いたいのであれば、24時間ご本人と一緒に過ごし続けなければなりません。これはかなり厳しい条件だと思います。

もし、仕事をしていたり、離れて暮らしている方であれば、がん末期患者は急変する場合があるので、死に目に合うためには患者の元にいつでも1時間以内で駆けつけられるところにいなくてはなりません。

どんなに気をつけていても、夜の間にお亡くなりになってしまうケースがあります。夜、穏やかに眠るようにこの世を去っていった事は本望だったかもしれません。

「私が目を離した隙に、旅立たれてしまった」と後悔している人に相談を受けたことがあります。皆が心配しないようにこっそりと旅立ったのでしょう。あなたを後悔させようと意地悪して、旅立たれたわけでは無いと思いますよとお伝えした覚えがあります。

「苦しい、辛い思いをしながら旅立ったのかも」と心配する方もいますが、多くガン末期の患者の場合、苦しみながら臨終を迎える事はほとんどありません。ぎゃー苦しい、パタリと死ぬなんて事は絶対にありえません。

現実的には死に目よりも生き目を重視

生き目と言う言葉はありませんが、意識がしっかりしている間、充実した時間を過ごす方がずっと重要だし、死に目よりも「生き目」を重視する方針にシフトしておくと、実際死に目に会えない時でも後悔が少なくなります。

死に目に合うと、死という深い悲しみから立ち直る時間が短くなる可能性があり、死亡診断される時に同席したほうが良いかもしれません。しかし、先ほども述べましたが、死に目に会う条件を満たす事は大変です。

仕事や育児で必ずしも本人に付き添えない方もたくさんいます。意識がしっかりしている間の時間を大切にし、子供や孫が自分の時間も大切にしている方がお別れする本人としても心置きなく最後の時間を過ごせると思います。

最後の瞬間も大切かもしれませんが、それ以上に死ぬまでの生きている間の時間をを大切にしてくれた方が、ありがたいです。自分の子供や孫が、死に目だけを見に来てくれても孝行だとは私は感じません。

 

死に目に会うことの意味は

この記事を読んでいる方の中には、「死に目に合う必要は」と検索されてこられた方もいるでしょう。死に目に合う必要はないと感じているのではないでしょうか。

死目に合わないと本人がさみしい思いをするのでは?と心配されている方も多いでしょう。死に目に合わないのは親不孝だと感じている方も多いようです。

親の死に目に会うことの意味を相談されたらいつも下記のように答えています。

ご本人はあなたが死に目に会いに来ない事より、あなたが仕事や子育てに頑張って生きている事の方が嬉しいと思いますよと。

目が覚めた時に近くに親族がいると安心しますが、最後の1週間は寝ている時間が増えているはずです。感情は少なくなり、深く考えられなくなっているので寂しさを感じることも少なくなっています。最後の瞬間は家族が考えているよりは、本人の寂しさは少ないでしょう。

意識が朦朧として、訳のわからないことを言ったりするようであれば、なおさら深く考えたり、悲しく感じたり、寂しく感じることができなくなっています。

最後の時、寂しく感じるのは残されてゆく家族や周囲の人たちだけなのです。死に目に会えなかったこと自体を後悔する事はないと思います。

スポンサーリンク


 

それでも、できる限り死に目に会いたい

別れ際に立会いたいのであれば、臨終の数日前に現れる死の兆候を知っておくことである程度予測はできます。下のに死に目に合うための記事をリンクしておきます。

死に目に合うために死の兆候を知っておく

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

この記事をシェアする

ABOUTこの記事をかいた人

死生観、終末期、緩和ケアの研究してます。死の過程の知識を深め、家族の力をアップし、医師とコミュニケーションを取り、医療サイドと家族サイドの見解を一致させることが終末期を穏やかに過ごす要素だと信じております。