EPA(エイコサペンタエン酸)の効果はほとんどなさそう




EPAは悪液質にわずかな科学的な根拠ががあるようです。しかし、このようなサプリメントは、わらをも掴むような状況の方に勧めるものではないと思っています。

かなり痩せが進行している場合、EPAは効果がないばかりか吐き気、出血等の副作用がまさり、推奨されていません。

 

ガンが進んでゆけば、筋肉が減り、体重が減ってゆくことは止められない

EPA(エイコサペンタエン酸)がガンの痩せに効果があるかもしれませんが、強いエビデンスはありません。

世の中には多くのガンに対する一見怪しげな治療方法がありますが、EPAはそれに比べればちょっと効果が有る程度のサプリメントです。

癌の治療にはエビデンスのない治療があふれています。お茶やキノコの類いの民間療法、免疫療法、なかには呪術てきなものまであります。EPAはそれらに比べればマシなサプリメントかもしれませn。

科学的証明されていないガンに対する治療法があまり多すぎます。この手の治療法は心の安寧にはつながるかもしれませんが、延命効果はほとんどないと思います。

 

EPAの科学的な根拠

EPAが、悪液質の速度を遅くする可能性があるとされています。これも可能性がある程度です。Colomer.Br J Nutr 97:827-831, 2007

緩和医療学会の報告ではEPAは集学的医療方法のひとつとして有望であるというレベルに過ぎません。

 

ガンの痩せ(悪液質)はガン患者の20-80%に合併し、生活の質を低下させ、生命予後にも強く関わっていると昔からいわれています。

しかし残念なことでありますが、体重減少のメカニズムはまだまだ解明されていません

現状では完璧な解決策を打ち出せていないのです。

小野薬品によって、アナモレリンという薬品の臨床試験がすすんでいますが、劇的な効果はないでしょう。

アナモレリンの臨床試験について

 

自分の体重減少してゆくことをイメージできますか?

このサイトでガンになると筋力が落ち日常生活が出来なりますよと繰り返し申し上げています。

しかし自分の最期をイメージしづらく、余命を楽観している方が多いのではないでしょうか?

人間は先に訪れる苦痛があったとしても目先の快楽を選びます。それは行動学的に説明されています。

 

たとえば、すごく太っていて、ダイエットをしないと血管が詰まって心筋梗塞になる確率が高いと知っていても、ドーナツの店の前を通るとドーナツを食べてしまうんです。

もちろんドーナツを食べちゃいけないことは知っています。

でも目先の快楽を選んでしまうんです。

 

それが普通です。

 

ガンが相当進行し、食欲がなくなってから、死ぬということを実感してから、予防を始めるひとが多いのです。

しっかりと自分の命と向き合い、身の回りの整理をしているような立派な方でも、自分がどのように弱っていくかを知らない場合が多いです。

このサイトで勉強してくれた方たちは、ガンの痩せ(悪液質)や筋力低下から生じる症状を知っていただけたと思います。

痩せる速度を遅くすることができれば、終末期の苦痛が減るかもしれません。私がもっと大切だと思っていることは、できるだけ早い時期から、悪液質の知識を得て、心づもりをしておいてほしいのです。

苦痛の少ない終末期を過ごすには低下してきた筋力に合わせた生活を心がけることと痛みを少なくすることが大切です。

 

ガンになったら痩せて死ぬのです。

 

出来るだけ長く自分らしく過ごしたい

少しでも楽に、自分らしく過ごしたいという点を重視している方には効果をえることができるかもしれません。

EPAを飲めば、すぐに劇的な効果が得られるというものではありません。

たかがサプリメントであり、もともとは食品です。完全に体力の喪失(悪液質)を抑えれません。

もしEPAに強力な悪液質を抑える作用があるのであれば、薬として承認されています。

 

EPAが科学的に実証されている摂取量はかなり多いですし、効果を得るには少なくとも数ヶ月は継続して飲む必要があります
Colomer.Br J Nutr 97:827-831, 2007

 

これは研究の結果のひとつであり、あなた自身にとって飲まなかった場合と飲んだ場合のの比較は不可能です。

EPAの服用を開始しないと、悪液質の進行は早いかもしれませんが、EPAを飲んでいれば苦痛なく楽に過ごせるかというとそれは違います。

 

あなたらしく、よりよく過ごす可能性が少し上がる程度です。この手のサプリメントに過度な期待は禁物です

 

痛みを取ったり、息苦しさをとることは現在の医療でおおむねコントロールできるといわれております。

終末期の生活をどれだけ自分らしく過ごすことができるか?と言う点に焦点が当てられてゆくことでしょう

そのためには筋力の低下を抑える薬が必要ではないかと真剣に考えている先生方は沢山います。

 

このサイトを訪れてくれた方はだれよりもガン末期になっても自分らしく過ごすことを大切に考えている方たちだとと思います。

事実、かなりの方が、リピーターとなってこのサイトで勉強しにに来てくれています。

自分らしく生き抜くには、死に対する予習がとても重要です。

 

まとめ

自分の時間を大切に大切な家族との時間を大切にするためにもあなたらしく生活したいと思っているに違いありません。

まず、どのような最後を迎えてゆくかが知ることが重要です。

数少ない悪液質の医学的な対策にEPAがありますので、参考にしてください。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。サルコペニアの予防に関する記事が役に立つと思います。参考にしてください。

参考文献

アナモレリンの臨床試験:https://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n14_1031_02.pdf
Colomer.Br J Nutr 97:827-831, 2007