食欲低下の解決方法はあるのだろうか?
食欲低下の原因は悪液質にあります。
悪液質はガンが進行すれば悪化し、食欲低下が現れる時期には相当進行しているはずです。
ガンの痩せをコントロールできないのと同様に、食欲低下もコントロールすることは難しいとされているようです。
ステロイドを飲むと劇的に食欲が改善することがありますが、長くは続きません。
ステロイド(メチルプレドニゾロン等)の効果は一時的で、食欲はまた低下してしまいます。
ステロイドを長く飲むと、感染しやすくなったり、消化管出血を起こしたりするので適切な時期に飲む必要がありそうです。
どんなガンであっても最終的には食べることができなくなります。胃腸のガンでなくても食欲が低下し、食べられなくなります。
食べないと体力が落ちるのではなく体力が落ちているから食べられないのです。
食欲がないのに無理に食べることで体力がつくことはありません。食べると気持ちが悪くなり、すぐに満腹になるため、食べようとすると余計に苦痛が増えてしまいます。
終末期では、病気が進めば進むほど、たくさん食べれなくなります。食べたい量だけを食べればよいというスタンスに気持ちを切り替えていかないと、体の苦痛がアップしてしまいます。
まず食べれるものを探しましょう
多くのガン患者は味覚が変化してくるようです。
以前好きだったものがおいしく感じなくなったりそんなに好きでなかったものをおいしく感じたと聞いたことがります。
塩気が強く、あっさりした、脂っこくないものを好む傾向になる場合が多いようです。梅干しとか味付け海苔のような柔らかく味濃いものが好まれます。くぎ煮やキノコの佃煮は喉越しが悪くなっているので食べるのは厳しいかもしれません。
飲み込む力が衰えてきますので、ゼリーやプリンなど喉越しがいいものを好む様になるでしょう。
アイスクリームやかき氷のような冷たいものは、口の中が冷たさでスッキリするため好む方が多いように思います。
何が食べれるかはいろいろ試して意味ないと分かりませんのでいろいろ試してみてください。
本人の気持ちを忖度(そんたく)する
終末期になり食事ができなくなることは、本人にとって辛いことです。
食べれなくなった病気の本人に無理に食べさせている姿を何度も見たことがあります。家族が悲しむから、苦しさをこらえて食べているとおっしゃられた方は一人や二人ではありません。
食べることが出来なくなった家族を看るのは辛いことですが、本人はもっと辛いのです。
「食べなきゃ体力が落ちちゃうから」
といって、家族が、病人に無理やり食事を食べさせているというケースがあります。
当然家族はよかれと思って食べさせようとしているのですが、「無理に食べることは体の辛さが増悪するだけではないだろうか?」という疑問を持ってほしいのです。
食べさせることではなく、食べられないときにそばにいるという家族の支えこそが終末期に必要なのです。
食べれなくなってきていることを周囲の家族が理解し、支えてあげることがどんな薬より効果があります
自分が今までできていたことができなくなる辛さをスピリチアルペインといいます。この辛さに対して、薬の効果は期待できません。
自分が出来たことが出来なくなったという喪失感を補うには、自分と周囲のつながりを再確認することが重要であるといわれています。
簡単に言えば、何かできなくなってきたときに家族に傍にいてもらうと安心し、こころが休まるという具合です。
想像してみてください。あなたがガンであるならいつかは食べれなくなるでしょう
そういうときに家族が傍にいると自分の存在価値を確認できると思いませんか?
孫が見舞いに来てくれたら、自分とのつながりを再確認し、自分には存在価値があったと
不安が軽減すると思いませんか?
家族の方が患者の辛い気持ちを忖度し、ガンを患い何も出来なくなってきている本人に寄り添い過ごしていただければ、本人の苦痛も幾分和らぐのではないかと信じています。
食べれなくなった時、患者にとって何が適切な対応か、についてご理解いただけたと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます。悪液質に関する記事だけでなく、ガンの終末期に関わる症状についての記事をまとめました。参考にしてください。
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