緩和ケア病棟やホスピスの平均入院期間について




緩和ケア病棟やホスピスの平均入院期間

  • ホスピスや緩和ケア病棟に入院したらすぐに死んでしまうのでは?
  • ホスピスに入院したらどれぐらい入院しているの?
  • ホスピスに入院したらどれぐらいの費用がかかるの?

ホスピスの入院が長くなりすぎると費用的な面で心配だという声はよくあります。

できるだけ長く生きてほしいけど、ホスピスの個室代が心配だという方は少なくありません。

結論から申し上げると、何らかの症状(痛み、食事ができないなど)の理由で緩和ケア病棟に入院した場合、一ヶ月以上入院するケースは多くありません。

NPO法人日本ホスピス緩和ケア協会のデータによると2011年の平均入院期間は40日です。

この統計は死亡退院だけでなく、自宅に退院した方も入っているので、死亡による退院はもう少し短いでしょう。

入院期間のデータは病院ごとで異なってきます。

たとえば、積極的に自宅への退院を支援する緩和ケア病棟やホスピスの場合、入院期間は短くなります。

状態が悪くなってからの入院するタイプの病院や、ある程度元気なときから入院させる家のようが病院などいろいろなタイプの病院がありますので、平均入院期間は目安程度に考えてください。

先にも述べましたが、痛み、食欲低下、トイレに行けない、動けないなどの症状が現れ、自宅で家族が介護や看病ができなくなり入院するようなケースは入院期間が短くなる傾向があります。

わたしの印象ではホスピスに入って一ヶ月以内でお別れになるケースが多いです。

病状が悪化し入院しても自宅退院される方もいますが、8割以上の方は一度入院すると退院せずに,緩和ケア病棟やホスピスでお亡くなりになるようです。

平均在院日数を提示している病院もありますので、調べておくといいでしょう。

症状が悪化し入院したケースであっても、入院後の適切な治療により症状が消失し、一度は元気になる場合があります。

しかし、症状緩和一時的であり、家で過ごしていたときのように動けるようになる方は多くありません。再び家で過ごせるようになるケースは2割程度です。

 

がんは最後の一ヶ月ぐらいまでは、自宅で過ごせるケースが多いのです。逆をいえば、ホスピスや緩和ケア病棟にに入院したらそんなに長くないというサインと考えたほうがいい。

「数ヶ月も生きたら、個室代や入院費用が大変」と考えている人が多いかもしれませんが、そんなに長く生きれませんので、出来るだけ充実した入院生活を送らせてほしい。

入院後、一旦は症状が緩和され、元気になります。その時間は本当に貴重です。ゆっくり家族で過ごすための環境が必要だと、自分は考えています。

最後のときを穏やかな環境でゆっくり過ごさせてあげてほしいのです。

個室代に対する不安

ホスピスや緩和ケア病棟は個室料金(差額個室代)がかかることが多く、これは保健医療とは別なので、高額利用制度が適応になりません。

割と多い家族の声
個室に入れてあげたいけど、どれぐらいかかるか不安なので大部屋でお願いします

ホスピスに入所しても何ヶ月も入院してしまうのでは金銭的に困るのでは?という方は多いと思います。

どれぐらいの期間、個室費用が掛かるのか、ハッキリ言えませんが、全国的なデータを参考にすれば、概ね一ヶ月以内だと想像できますよね。

地域や部屋の大きさや設備によって個室代は変わりますが、1日当たりの個室代金は5000円〜1万円前後のようです。6000円ぐらいが多いのではないでしょうか。

個室代だけで、1ヶ月当たり20万円ぐらいかかるという試算になります。

もし、最後の一ヶ月を自宅で看病や看護すると相当な労力になります。緩和ケア病棟であれば、自宅で介護や看病できなくなった患者の看護、看病、治療をうけることができます。

もちろん一般病棟とよばれる大部屋でも看護や治療は受けれますが、同室の患者のことを気遣いならが、過ごさなくてはなりません。家族のお見舞いとかは時間を気にしながら行わなくてはなりません。

個室代をプラス上乗せすると、自分らしく過ごせる時間が24時間になります。

想像の通り、自由に体が動きませんので個室など必要ないように感じるかもしれませんが、もし自分が最後のとき大部屋で死にたいか、それとも家族に囲まれて、自分らしく時間を過ごしたいかと言われたら、やはり個室で最後の時を過ごしたいですね。

 

個室のメリット

最期の一ヶ月間は意識障害が現れるようになります。不安、夜間眠れない、せん妄などいろいろな症状が現れ、家族がそばにいる必要があります。

終末期に不安が強くなる時期があります。このとき、家族がそばにいるだけで安心感を得て、夜眠れるようになります。

せん妄が現れ、分けの分からないことや大きな声を発することもあります。大部屋では周囲の人にご迷惑になります。

自分の力でトイレに行けなくなったら、個室で過ごす方が本人も家族も楽に過ごせます。

また、最期は多くの人が訪問します。大部屋だと大勢の人が訪れても本人に面会すらできません。

いつお別れなるかも分かりません。昼間の場合もあれば、夜間の場合もあります。真夜中にお別れになる事態を想像してみてください。

時期によっては不安が強くなり、個室を嫌がるケースがあります。意識状態が少し悪くなってきている兆候です。個室で家族と過ごすべき時期だと思ってください。

経済的な理由で個室を選べない方もいらっしゃると思います。終末期に個室に入らないメリットは経済的理由以外ほとんどないです。

その経済的なコストは医療費プラス20万円ぐらいです。

最期の時を穏やかに過ごすためにも、最期の入院の個室が必要だと思います。

まとめ
緩和ケア病棟の入院期間は一ヶ月ぐらいと考えておこう

どれぐらいの期間入院するか全国平均を示しましたが、これより短くなる場合、長くなる場合はあります。ご了承ください。

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