テレビを見ず、新聞を読まなくなったら、残された時間は一ヶ月以内かもしれない




集中力の低下に気づくのは難しい

ガン終末期の共通症状に意識障害があります。昏睡やせん妄のような明らかな意識障害であれば誰でも気づきますが、僅かな変化は気づきにくいかもしれません。

ガンが進行すると誰でも頭の機能が低下してきて、集中力が低下したり、好奇心、周囲への興味が薄れてきます。本人でも気づかない程度の変化なので、周囲の家族はもっと気づきにくいと思います。

意識障害が目に見えた症状として現れるのは最期の一ヶ月になってからです。それまでは、普通に生活できますし、普通に話もできます。

動ける範囲が狭くなっても、話をするぐらいは全く問題ないのが、ガンの経過です。

 

このサイトを訪れてくれる方の中には、グーグルの検索で「余命一ヶ月の症状」「最後の一ヶ月」と調べてきた方もいるとおもいます。その中には家族が既に余命が数週間以内になっている方もいるかもしれません。

そのような方たちにとって、この記事に書いてある出来事は思い当たる節があると思います。

一ヶ月

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意識障害の始まりは外への興味の低下

「あの時、新聞を読まなくなったのは意識障害の始まりだったのか」

と後から気づくのではなく、お別れまでの準備期間として大切な時間を過ごしてほしいと思い、この記事を書きました。

訳のわからないことを言ったり、幻覚を見るようになって初めて意識障害に気づく家族が多すぎます。幻覚や辻褄の合わない会話をするようになったら残されている時間は1週間です。

お別れの準備期間として、1週間では短すぎるとおもいませんか?

もっと早く意識障害に気づいて、大切な時間を過ごしてほしいのです。

もし、いつも読んでいる新聞が開かれていなかったり、テレビを見なくなったり、スマートフォンを触らなくなったら、そろそろお別れが近くなってきています。

早とちりで、できるだけ心の準備、覚悟をした方が後悔が少ない看取りができると考えています。

そのためには、最後の一ヶ月に現れるよくある行動や症状について知っておく必要があります。

新聞を読まなくなっていませんか?

注意力の低下に気づくには、はじめからガンによる意識障害の現れ方について知っておく必要があります。

新聞や本は読むのに集中力が必要です。ガンが進行し、意識状態が悪化するとはじめに現れるのは、集中力、注意力の低下です。

病気の本人の部屋に入ったときに、読まれていない新聞が数日たまっていたら、余命は一ヶ月を切っている可能性が高いです。これはわたしの経験に基づくので、科学的に証明されいませんが、概ね正しいと思います。

患者のところにお見舞いに行き、新聞が読まずにおいてあると、一ヶ月以内に亡くなってしまうケースが多いです。

 

テレビが消してある

新聞や本にくらべテレビは集中力がいらなそうですが、テレビを見なくなるのもお別れが近いサインです。「テレビが面白くなくなった」とか「くだらないことばかり言っていて見る気が起きない」と言います。

くだらない内容であっても、今まで見ることができたテレビを見ることが出来なくなった、興味がなくなったというのは注意力の低下にともなう症状です。

 

スマートフォンでネットを見なくなった

スマートフォンは電話機能とネット機能があります。余命一ヶ月を切ると不安が強くなる時期があります。この時期は家族や知り合いに連絡したがります。そのため、スマートフォンを触っている時間は増えています。

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2017年12月23日

しかし、集中力が低下してくると、グーグルで検索して、情報を集めたり、ゲームをしたりする時間は減ってきます。

注意力が減ると、周囲に対する興味が減退し、好奇心が薄れてゆくからです。

 

集中力が低下したときに生じる、わかりやすい行動をまとめてみました。思い当たるフシがあったかもしれません。

わずかな意識障害が生じたとき、家族がそばにいるととても心強く感じると思います。

避けられないお別れの時まで、充実した時間が過ごすために、この記事がお役に立てば冥利に尽きます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。最後の一ヶ月間を精一杯生き抜くことで、深い悲しみから立ち直る時間が短くなると思います。大切な時を逸しないように過ごしてください。

参考文献 緩和医療学会 がん疼痛の薬物療法のガイドライン  苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン  聖隷三方原病院 予後の予測  森田達也(編) 2016 続・エビデンスで解決!緩和医療ケースファイル  大津秀一(著)2015 Dr.大津の世界イチ簡単な緩和医療の本―がん患者を苦痛から救う10ステップ 淀川キリスト教病院(著)2007 緩和ケアマニュアル
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